極早生温州みかんの増糖・減酸技術
- [要約]
- 増糖には夏季のエチクロゼートとエテホンの散布、通気性多孔質シートの樹冠下被覆が、減酸には夏秋季のリン酸散布及び反射シートの樹冠下被覆が効果的である。
愛媛県立果樹試験場・栽培育種室
[連絡先] 089-977-2100
[部会名] 果樹
[専門] 栽培
[対象] 果樹類
[分類] 指導
- [背景・ねらい]
- 極早生温州の栽培面積は急増し、生産過剰となりつつあり、年によっては低糖度、高酸果実が問題となる。露地みかんの先陣をきって出荷される極早生は、早生以降の温州みかんの価格形成に大きく影響する。そこで、極早生の高品質果生産のための環境要因を明らかにし、不良な気象条件に対応した増糖及び減酸技術を確立し、品質の底上げを図る。
[成果の内容・特徴]
- 夏季乾燥時の工チクロゼート3,000倍とエテホン5,000倍の散布により、糖度が上がり、着色が早くなる。しかし、酸の低下は遅れる(表1)。これらの処理は強勢樹では翌年への悪影響は認められない。また、樹冠下への通気性多孔質シートの被覆により糖度が上昇する(表2)。
- 7月~9月の乾燥時の水溶性リン酸3回散布やMGC2回散布で減酸が進みやすい(表3)。また、アルミ蒸着系の反射シートの樹冠下被覆により日中の果実温度が上昇し、果皮色が濃くなり、減酸が進み、糖度もやや高くなる(表4)。
[成果の活用面・留意点]
- リン酸剤は薬害が発生しやすいため散布濃度、時期に注意する。
- エチクロゼート、エテホン散布は樹勢の強い園での使用に限る。
- 反射率の高いシート(アルミ蒸着系)は夏季に敷くと年次や品種によっては日焼け果の発生を助長するため、9月以降に敷く。
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- [その他]
- 研究課題名:極早生温州みかんの品質向上試験
予算区分:県単
研究期間:平成10年度(平成6年~9年)
研究担当者:加美 豊、井上久雄、藤原文孝、高木信雄、中川雅之
- 発表論文等:リン酸含有液肥散布による温州みかんの熟期促進効果、園芸学会秋季大会、1996
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