トンネルニンジンの根重推定モデル
- [要約]
- このモデルは、トンネルニンジンの生育を光合成による物質生産の観点から作成したものである。物質生産過程を各プロセスで数式化し、トンネル内気温と日射量から根重を求め、収穫日を予測することができる。
徳島県立農業試験場・野菜科
[連絡先] 0886-74-1660
[部会名] 野菜・花き・茶、気象
[専門] 栽培
[対象] 根菜類
[分類] 研究
- [背景・ねらい]
- 従来の生育予測法は、過去の気象データと生育収量との重回帰式を用いたものが多い。この場合、作成は簡便であるが、多量のデータを必要とし、また結果(収穫日または収量)は出てきても途中の生育経過を把握する事は困難である。
そこで、気象と作物の生育収量との関係に関与する生理生態的なプロセスにもとづいた、機構的手法を用いることで、日々の生育の積み重ねとして、作物の状態を予測することができる。
[成果の内容・特徴]
- 本モデルの構造は、(1)トンネル内平均気温と葉数(2)葉数と葉重(3)葉重と葉面積(4)補足日射量の求め方(5)光合成による物質生産(6)生体重(根重)の求め方に分類され、それぞれのプロセスを数式化することにより、トンネル内気温と日射量から根重の予測を行うものである(図1)。
- 各プロセスの関係式は、過去のデータ(H8、9年作)により、表1のように求めた。
- 表1の数式を表計算ソフトにいれて、モデル作成に用いなかった年(H7年)の気象データ(トンネル内平均気温と日射量)を入力しシミュレーションを行い、実測データと比較した結果、根重については、ほぼ実測値に近い値となった(図2)。
- 本モデルは、日単位で生育を把握することができるため、途中で実測デ一夕と比較することができ、さらに実測データをフィードバックさせて予測を修正することも可能である。
[成果の活用面・留意点]
- このモデルは、県内産地JAでの利用を考えているが、何らかの方法で、現地でのトンネル内気温と日射量の日別データを入手する必要がある。
- このモデルは、土壌水分、肥料条件等が標準値であることを前提に設定している。そのため、特には種時に乾燥している場合には適用できない。
- このモデルは、向陽2号についてのモデルであり、品種別に表1のような関係式を求める必要がある。
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- [その他]
- 研究課題名:トンネルニンジンの生育予測技術
予算区分:県単
- 研究期間:平成10年度(平成7年~11年)
研究担当者:井方宏典、板東一宏、川下輝一
- 発表論文等:なし
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