パーシャルシール個包装によるニラの鮮度保持
- [要約]
- ニラの個包装においては、無孔ポリプロピレンフィルムを用い、センターシール部を幅0.4mm、長さ5mmの歯形で1mm間隔にシールする。これにより、呼吸とセンターシール部の空隙を通じた袋内外へのガス交換のバランスから、袋内が低濃度酸素・高濃度二酸化炭素状態になり、ニラの鮮度が長期間保持できる。
高知県農業技術センター・生産環境部・品質管理加工科
[連絡先] 0888-63-4911
[部会名] 食品
[専門] 加工利用
[対象] ニラ
[分類] 普及
- [背景・ねらい]
- 本県の主要野菜であるニラは周年出荷されているが、今までの技術では特に高温期において葉の黄化や腐敗が発生することから、その対策が望まれている。そこで、安価で鮮度保持効果の高い包装方法について技術開発を図る。なお、今までの技術は、100gのニラを開孔率0.05%の有孔ポリプロピレン袋に入れ、その50束をポリエチレンの大袋で密封包装し、窒素ガスを封入して出荷していた。
[成果の内容・特徴]
- 厚さ0.02mmの無孔ポリプロピレンフィルムを用い、100gのニラを縦60cm、横8.5cmの大きさに個包装する。このときセンターシール部を幅0.4mm、長さ5mmの歯型で1mm間隔にシールし、通気可能な空隙を約600カ所設ける(図1)。
- ニラの蒸散作用から生じる水分によりパーシャルシール部の空隙か部分的に封じられるが、水封されていない部分を通じてガス交換が行われる。そして、ニラの呼吸と空隙を通じた袋内外へのガス交換のバランスから、袋内か低濃度酸素・高濃度二酸化炭素状態になり、呼吸が抑制される。このため、黄化葉および腐敗葉の発生が抑えられ、鮮度か保持される(表1)。
- 現行の出荷方法では、市場到着後大袋を開封するため、袋内のガス組成が大気に近づくのに対し、本法では消費者が家庭で開封するまで鮮度保持に好適なガス組成が維持できる(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 袋の上下およびセンターシール部のシールが完全に行われていないと、空気漏れにより鮮度保持効果が期待できないので注意する。
- 適用範囲は強制通風冷却予冷方式が導入されているニラ栽培地域とする。
- 現行の窒素ガス封入処理、ポリエチレン大袋包装が省略でき、出荷作業および出荷コストが軽減できる。
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- [その他]
- 研究課題名:ニラの鮮度保持技術の確立
予算区分:県単
- 研究期間:平成10年度(平成8年~10年)
研究担当者:鈴木芳孝、岡林秀典
- 発表論文等:なし
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