隔離床を用いた高糖度トマト生産のかん水施肥方法

[要約]

高糖度トマト隔離床を用いて生産する場合、促成栽培では給液量を3花房開花まで360ml/株/日それ以降320ml/株/日にすることで、第2花房から、半促成栽培では第4花房開花まで280ml/株/日、それ以降480ml/株/日にすることで第1花房から糖度8以上の果実が生産できる。
香川県農業試験場・野菜担当
[連絡先]087-889-1121
[部会名]傾斜地農業、野菜・花き・茶(野菜)
[専門]栽培
[対象]果菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

高糖度トマトの生産技術は、水分管理など篤農家の独自の技術に頼ることろが大きく、一般化していない。そこで、水分管理が容易に行える隔離床を用いて高糖度トマト生産のための生育ステージ別かん水施肥量を明らかにし、これに基づいた高糖度トマトのかん水施肥栽培法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 促成栽培
    定植(9月中旬)から第3花房開花時まで360ml/株/日(545倍液、EC約180mS/m)第3花房開花以降320ml/株/日(375倍液、EC約260mS/m)を1日1回給液することで、第2花房から糖度8以上の果実が生産可能である(図1、促成栽培、標準)。
  2. 半促成栽培
    定植(4月上旬)から第4花房開花時まで280ml/株/日(429倍液、EC約230mS/m)、第4花房開花以降480ml/株/日(545倍液、EC約180mS/m)を1日3回給液することで、第1花房から糖度8以上の果実が生産可能である(図1、半促成栽培、標準)。
    この作型は尻腐れ果の発生が多いため、カルシウム剤の花房処理による尻腐れ果の防止対策が必要である(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 高糖度トマト栽培技術のシステム化が可能となる。
    なお、無加温ハウスを利用した場合と比べてコストが安い反面、風に弱いために防 風対策が必要となる。
  2. 促成栽培は「ハウス桃太郎」半促成栽培は‘桃太郎’を使用した結果である。
  3. 促成栽培は7段どり、半促成栽培は6段どりとした結果である。
  4. 肥料はノンストレス型の肥料(14-8-16)を使用する。
  5. 隔離床の培地はピートモス、培地量は5.7l/株とする。
  6. 水ストレスにより果実の糖度を極度に上昇させると収量が著しく低下する恐れがあるので注意を要する(表1)。

 [その他]
 
研究課題名:トマト少量土壌培地耕による高品質生産技術の確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:平成11年度(平成9~13年)
研究担当者:黒川領太,野田啓良
発表論文等:トマト少量土壌培地耕による高品質生産技術の確立、園芸中四国支部要旨38,1999.
 
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