キク省力裁培技術の経済性評価

[要約]
 
キク栽培において直接挿し、養液土耕栽培を導入した場合、10a当たり作業時間は3.2~15.9%省力化できる。また、労働時間当たり所得は、直接挿し栽培のみ、または、直接挿しと養液土耕栽培を導入した場合に増加する。
香川県農業試験場・経営情報担当
[連絡先]087-889-1121
[部会名]営農
[専門]経営
[対象]花き類
[分類]指導

[背景・ねらい]

キクの省力栽培技術として、直接挿し、養液土耕栽培が普及し始めている。しかし、養液土耕栽培には設備投資が必要となるため、経費増加に見合う省力効果を得ることができるかどうかが問題となっている。そこで、品種・作型別に労働時間・経営費を調査し、直接挿しと養液土耕栽培技術を導入した場合の経済性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 作業時間は直接挿しと養液土耕栽培の導入により、作型1(秀芳の力2度切り年末・4月出荷)で慣行の8.7%、作型2(秀芳の力電照年末出荷+精雲7月出荷)で15.9%省力化できる(表1)。
  2. 直接挿し栽培導入により、植え付け前の作業のうち、育苗時間がなくなり、挿し穂準備の時間だけとなるため、作型1で5.4%、作型2で11.9%の省力となる(表1)。
  3. 養液土耕栽培導入により、かん水は初期の手かん水の時間だけ、施肥は堆肥の施用時間だけになるため、かん水時間、施肥時間が約半分となり、作型1で3.2%、作型2で4.0%省力化できる(表1)。
  4. 労働時間当たり所得は、直接挿しのみ導入または、直接挿しと養液土耕を導入した場合に増加する(表2)。養液土耕栽培については、重労働である施肥やかん水作業が楽になる、生育が早くなり栽培期間が短縮され、ハウスの回転率が上がる等のメリットを金額で表わすことができず、慣行よりもわずかに収益性が劣るという結果となった。

[成果の活用面・留意点]

  1. キクの直接挿し栽培、養液土耕栽培を導入する際のコスト評価の参考になる。
  2. 経営費、作業時間は、経営規模、圃場条件、資材・機械によって異なるので留意する。

 [その他]
 
研究課題名:21世紀へ向けた特産キクの新省力裁培技術体系の確立
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成9~13年)
研究担当者:茂木知江子、十河土志夫
発表論文等:なし
 
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