作業分散のための水稲収穫期間の延長
[要約]
水稲品種
「ひめのまい
」は、成熟期以降
立毛状態
で長期間放置しても
胴割粒
や
着色粒
の発生が少なく、
コンバイン
による収穫作業も可能で、
収穫作業期間
を11月中旬まで延長できる。
愛媛県農業試験場・経営流通室 [連絡先]089-993-2020 [部会名]作業技術、水田・畑作 [専門]作業 [対象]水稲 [分類]指導
[背景・ねらい]
水稲作における農作業の現状について見ると、6月の田植時期及び10月の収穫時期に作業が集中し、このことが経営規模の拡大を阻害する大きな要因となっている。従って、経営規模の拡大を図るためには、これらの作業期間を延長することが重要な課題である。
そこで、収穫作業期間を延長するために、成熟期以降立毛状態で長期間放置した場合の品質変化を調査するとともに、コンバインによる収穫作業の可能性について検討する。
[成果の内容・特徴]
コンバインによるひめのまいの収穫作業精度は、収穫時期を長期間遅らせても、成熟期とほとんど差がなく、稲体の倒伏も見られない(
表1
)。
胴割粒は、松山三井や日本晴では、成熟後短期間で発生するが、ひめのまいは、成熟 期以降立毛状態で長期間放置しても発生は少ない(
図1
)。
但し、胴割粒の発生は年次変動があり、ひめのまいでも11月下旬(成熟後35日)には胴割れが増大する場合がある(
図2
)。
ひめのまいの着色粒の発生程度や検査等級は、成熟期以降立毛状態で長期間放置しても成熟期と差がない(
表2
)。
ひめのまいの食味は、12月15日に収穫したものでは、成熟期に収穫したものとほぼ同程度であるが、3月5日に収穫したものは劣る(
表2
)。
ひめのまいを用いることにより、収穫作業期間を成熟期から約1ヶ月延長でき、10月に集中していた収穫作業の分散が図れる。
[成果の活用面・留意点]
西南暖地の平坦地域における大規模水稲作経営に適用できる。
作付面積が小規模の場合は、雀害に注意する。
11月中旬におけるコンバイン収穫は、わら含水率が成熟期と差がないため、エンジ ン回転数等は成熟期刈取りと同一の条件で行う。
[その他]
研究課題名:企業的水稲経営確立試験(水稲の収穫作業期間延長技術の開発)
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成6~11年)
研究担当者:河内博文、川崎哲郎、杉山英治
発表論文等:
平成7年度・8年度・10年度日本農作業学会春季大会講演要旨集
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