トバモウイルスで汚染されたピーマン種子の非破壊簡易検出法(直接免疫染色法)

[要約]
 
ピーマンの種子におけるトバモウイルスの汚染を非破壊的に検定する技術を開発し、直接免疫染色法(DISA)と名付けた。DISA処理した種子は無処理種子と同等の発芽力を保持している。また、DISAの検出精度はELISAと同等である。
高知県農業技術センター・生産環境部・病理科
[連絡先]088-863-4915
[部会名]生産環境(病害虫)
[専門]作物病害
[対象]果菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

トバモウイルスはピーマンの葉や果実にモザイク症状を生じ、収量と品質の著しい低下をもたらす。本ウイルスの第1次伝染源は、ウイルス感染植物から採種された汚染種子であり、健全種子の使用は本病の最も重要な防除手段である。ウイルス汚染種子の慣行検定技術である感染性検定やELISAでは、ある程度の専用機材が必要であるうえ、ウイルス抽出のために種子を磨砕する必要があり、大量検定には多くの労力が必要である。
そこで、ピーマン種子のトバモウイルスを農業改良普及センターなどの現場でも簡単に検出できる非破壊検定技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 新検定法では、ピーマンの種子を磨砕せずに抗体希釈液と酵素結合抗体希釈液にそれぞれ1時間ずつ浸漬し、最後に酵素基質液に浸漬する(図1)。トバモウイルスに汚染されていた場合は、種子の表面に青紫色の色素が沈着する。本法は種子に付着したウイルスに抗体を直接結合させ、抗体の結合を酵素による呈色反応で識別する新しい手法であり、直接免疫染色法(direct immunostaining assay; DISA)と名付けた。
  2. 本法で処理した種子は、無処理種子と同様に発芽するので、検定した種子を栽培に用いることができる(表1)。
  3. 本法による汚染種子の検出精度はELISAや感染性検定とほぼ同じである(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本法では汚染ウイルスが種子消毒などによって感染性を失っている場合でも陽性反応を示す。
  2. 種子の表面に菌類が付着していると、その菌糸によって呈色反応が促進され、非特異的な陽性反応が起こる。

 [その他]
 
研究課題名:突発性病害の原因究明と応急対策
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成9年)
研究担当者:竹内繁治
発表論文等:Direct immunostaining assay, a new simplified technique for detection of tobamoviruses from seeds of green pepper (Capsicum annum L.),日本植物病理学会報,第65巻,1999. 
 
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