キュウリ黄化えそ症の原因と迅速診断法
[要約]
キュウリ黄化えそ症の病原は
メロン黄化えそウイルス
(仮称)であり、病名を「
黄化えそ病
」とする。病原ウイルスのヌクレオカプシドに対して作製した抗体を用いることで、本病の
迅速診断
が可能である。
高知県農業技術センター・生産環境部・病理科 [連絡先]088-863-4915 [部会名]生産環境(病害虫) [専門]作物病害 [対象]果菜類 [分類]指導
[背景・ねらい]
平成6年から7年にかけて、須崎市、土佐市および春野町内のキュウリで、葉に激しい黄化とえそ症状を示す病害が発生した。本病害はその症状からウイルスが病原であると考えられたが、病葉汁液の電子顕微鏡観察や血清反応の結果から、我が国では未発生のウイルスである可能性が示された。
そこで、本病の病原ウイルスを明らかにし、伝染法など防除上重要な特性を解明するともに、現場でも実施可能な迅速簡易診断技術を開発する。
[成果の内容・特徴]
黄化えそ症は静岡県のメロンで見いだされたメロン黄化えそウイルス(MSWV,仮称)と同種または極めて近縁のウイルスによって発生する病害である。本ウイルスによるキュウリの病害は本邦初発生であるので、病名を新たに「黄化えそ病」とする。
病原ウイルスの宿主範囲は比較的狭く、汁液接種で全身感染する植物はキュウリ、メロンなどに限られる(
表1
)。
病原ウイルスはミナミキイロアザミウマによって媒介されるが、モモアカアブラムシとワタアブラムシ、シルバーリーフコナジラミでは媒介されない。また、管理作業や土壌を介しての伝染は起こらない(
表2
)。
病原ウイルスのヌクレオカプシドの精製方法を確立し、精製ヌクレオカプシドを用いて力価の高い抗血清を作製した。この抗血清を用いることで、ELISAおよびDIBAによる本病の迅速診断が可能である。
[成果の活用面・留意点]
表1に示した寄生性は汁液接種の結果であり、アザミウマによる接種では結果がやや異なる可能性がある。また、静岡県で分離されたMSWVでは、ミナミキイロアザミウマのほかヒラズハナアザミウマとミカンキイロアザミウマでも媒介されることが確認されている。
[その他]
研究課題名:突発性病害の原因究明と応急対策
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成7~8年)
研究担当者:竹内繁治
発表論文等:なし
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