稲わら長期連用による水田土壌の理化学性の変化

[要約]
 
水稲~麦の作付け体系で長期に亘って水田に稲わらを連用すると、土壌中の全炭素量及び全窒素量はほぼ直線的な増加傾向を示し、水稲及び麦栽培後の土壌の固相率は減少する。稲わらの長期連用による水稲や麦の収量への悪影響は認められない。
香川県農業試験場・土壌肥料担当
[連絡先]087-889-1121
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専門]土壌
[対象]稲類
[分類]指導

[背景・ねらい]

現在の水稲栽培においては、大半の稲わらは、省力化のため収穫時にコンバインによって水田に直接施用されている。コンバインが普及するまでは、わらはたい肥化して施用するのが通常であり、稲わらの水田への直接施用が土壌や水稲の収量に及ぼす影響が危惧されていた。そこで、コンバインの普及し始めた昭和50年から24年間に亘って、水稲~麦作付体で稲わらの連用試験をおこなったので、稲わらの長期連用が水田土壌の理化学性や収量に及ぼす影響について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 水稲~麦の作付け体系で冬作に稲わらを6t/ha連用することにより、土壌中の全炭素および全窒素量はほぼ直線的に増加する。その年間の増加量は、乾土1kgあたりそれぞれ 125mg(施用量の5.4%)及び12mg(同11.0%)である(図1,図2)。
  2. 水稲及び麦栽培後の土壌の固相率は、稲わらの連用により減少する(表1)。
  3. 稲わらの直接施用が水稲や麦の収量に及ぼす悪影響は認められない(図3図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 西南暖地の灰色化低地水田土・中粒質での水稲~麦の作付け体系に適用できる。
  2. 水稲裏作としての麦作による地力の低下は認められない。

 [その他]
 
研究課題名:土壌環境基礎調査(基準点調査)
予算区分:国補(土壌保全)
研究期間:平成11年度(昭和51年~平成11年)
研究担当者:梯 美仁,黒島忠司,小川 仁
発表論文等:なし
 
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