裸麦「イチバンボシ」の出穂期予測

[要約]
 
裸麦「イチバンボシ」の播種期から出穂期までを、播種期から積算温度400℃までの生育前期と、その後出穂までの生育後期に2分し、生育後期の発育速度を日平均気温と日長から2次元ノンパラメトリック回帰で解析することで出穂期予測モデルを作成する。このモデルに基づいたパソコンプログラムで、出穂期が予測できる。
愛媛県農業試験場・作物育種室
[連絡先]089-993-2020
[部会名]水田・畑作
[専門]栽培
[対象]麦類
[分類]普及

[背景・ねらい]

裸麦の出穂期は生育期間の気象条件によって変動が大きいため、出穂前25~30日とされている「イチバンボシ」の適期の穂肥作業には、出穂期の予測が必要である。既に、重回帰式や発育速度法で予測モデルを作成してきたが、予測精度の向上には予測モデルの再検討が必要であった。また、パソコン環境もWindows95/98用機種が増加しており、それに対応したプログラムの作成が望まれていた。

[成果の内容・特徴]
  1. 播種期から出穂期までの発育速度(DVR)と日平均気温及び日長との関係を、2次元ノンパラメトリック回帰で解析した場合には、DVR-気温・日長曲線が高温で著しく低下して不自然な曲線となるため、出穂予測には使用できない(図1)。
  2. 出穂予測モデルは、生育期間を前期と後期に2分して作成することとし、生育前期は積算温度法、生育後期は2次元ノンパラメトリック回帰で解析したDVR-気温・日長曲線とする。
  3. 出穂期の予測精度は、生育後期の計算開始日が播種後の単純積算温度で250℃から500℃の範囲で大きな違いはない(表1)。
  4. 生育後期のDVR-気温・日長曲線は、生育後期の計算開始日が播種後の単純積算温度400℃が生育状態に適している(図2)。
  5. F-BASICで作成した「イチバンボシ」出穂予測パソコンプログラムは、Windows95/98上で作動し、予測対象場所は今治、北条、松山等の麦主産地域であり、11月5日~12月20日に播種した麦に対応できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 予測精度は水稲よりも低く、精度向上のために予測モデルの改良が必要である。
  2. 統計モデルであるため、生育期の気象条件が解析に使用したデータの年次と著しく違う場合には予測精度の低下が懸念される。

 [その他]
 
研究課題名:良質裸麦生産技術確立試験
予算区分:県単
研究期間:平成10年(平成6年~10年)
研究担当者:鳥生誠二
発表論文等:日本作物学会四国支部第36回講演会で発表
 
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