牛発育途上卵子の活用による良質受精卵の生産技術
[要約]
本技術は、
発育途上卵子
から優良受精卵を
低コスト大量生産
するもので、卵巣より取り出した発育途上卵子をコラーゲンゲルに包埋し、
体外発育培養
させることに特徴がある。これにより、発育途上卵子から世界で初めて子牛を生産することに成功した。
徳島県肉畜試験場、徳島県畜産試験場 [連絡先]0884-22-2938 [部会名]畜産 [専門]バイテク [対象]組織培養 [分類]研究
[背景・ねらい]
本県和牛は、高級牛肉として「阿波牛」のブランド名で京阪神を中心とした消費地へ流通し、その増産が要望されている。さらに自由化にともないこれまで以上の低コスト生産と品質の向上が求められている。そこで、優良子牛の低コスト大量生産を可能とする受精卵生産技術を開発する。
[成果の内容・特徴]
本技術の第1段階は、卵巣表面の薄片から採取した発育途上卵子(直径90~99μm)を、コラーゲンゲルに包埋した状態で体外発育培養する。
これにより、直径が約110μ mの体外受精に利用可能な卵子まで発育し、その生存率は36.5%であった(
表1
)。
次に体外培養後に成長した卵子を、体外受精したところ、その分割率は15.6%、胚盤胞発生率は4.4%であり、体外発育培養卵子から受精卵の生産が可能となった(
表2
)。
移植可能となった受精卵3個を受卵牛3頭に移植し1頭が受胎、277日後正常な産子を得た。
[成果の活用面・留意点]
発育途上卵子を利用することにより、通常の数倍の受精卵が得られる可能性があり、高品質肉用牛の生産性向上を図ることができる。
[その他]
研究課題名:
良質低コスト受精卵の大量安定生産技術の開発
予算区分:実用化促進支援研究(民間支援研究)
研究期間:平成11年度(平成7年~11年)
研究担当者:
山本 憲、音井威重、岡久靖司、堀北直樹、今川智久、笠井裕明、福見善之、後藤充宏
発表論文等:
DEVELOPMENT TO LIVE YOUNG FROM BOVINE SMALL OOCYTES AFTER GROWTH , MATURATION AND FERTILIZATION IN VITRO THERIOGENOLOGY 1 July 1999 ,Volume52 , Number 1
目次へ戻る