株元局部点滴潅水によるハウスミカンの品質向上
[要約]
果径3cm頃から収穫時まで、
株元
を中心に
局部点滴潅水
を行うと
適度な水ストレス
が維持でき、果実の肥大を抑制することなく
減酸
と
増糖
を進め、
高品質果
が生産できる。さらに
果皮色
が濃くなり、
浮皮
の発生を軽減できる。
愛媛県立果樹試験場・栽培育種室 [連絡先]089-977-2100 [部会名]果樹・傾斜地農業 [専門]栽培 [対象]果樹類 [分類]指導
[背景・ねらい]
加温ハウス栽培では高糖度をねらい土壌を乾かし過ぎた場合、樹勢が弱り小玉化や収量の低下につながる。一方、潅水過多になった場合も大玉、低糖、浮皮等による収益減が問題となる。そこで節水が可能といわれている局部点滴潅水法の有効性を検討する。
[成果の内容・特徴]
慣行の地表面散水では水ストレスの変動が大きく、適正な潅水量の把握が難しいのに対し、株元中心の列状点滴潅水は、もどし潅水期から成熟期にかけて-0.8~-1.2Mpa程度の適度な水ストレスが維持しやすい(
図1
・
2
)。
株元から左右50cm離れた位置の2列点滴潅水は、同一潅水量では株元点滴潅水に比べて水ストレスがかかりにくい(
図1
)。
株元点滴潅水によって減酸を進めながら、糖度の高い、果皮色の濃い高品質果が生産できる。点滴2列潅水では糖度の上昇が鈍い(
図3
・
4
)。収量は慣行に比べて点滴潅水でやや多く、小玉果が少なくなる(
表1
)。浮皮軽減効果も認められる(
表2
)。
[成果の活用面・留意点]
点滴2列潅水ではさらに水量を検討する余地があるが、点滴株元1列潅水は資材費が2列潅水の半分で安価に設置できる。
植栽間隔、根域の深さ、土壌条件等にあわせて潅水量、潅水間隔を変える必要がある。
[その他]
研究課題名:ハウスミカンの生産力増強試験
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成9年~13年)
研究担当者:
井上久雄、加美 豊、藤原文孝、藤井栄一
発表論文等:
なし
目次へ戻る