ユスラウメ台もも栽培におけるGA散布による樹勢強化

[要約]
 
ユスラウメ台を用いたもも栽培においてジベレリン(GA)を開花期前後に散布すると、新梢伸長が促進され、葉芽の着生が多くなるなど樹勢強化につながる。
愛媛県立果樹試験場・栽培育種室
[連絡先] 089-977-2100
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]研究

[背景・ねらい]

ユスラウメ台を用いたもも栽培では樹勢が弱りやすく新梢の伸長が衰え、葉芽の着生も少なくなりやすい。既に、極早生ももにおいては収穫後の花芽形成期にGAを散布することで栄養成長性を高められることが報告されている。しかし、経済性の高い品種群では花芽形成期が果実成熟期と重なることや、散布量が多くなることなど実用的な面での検討はされていない。そこで、ユスラウメ台ももの栄養成長性を高めるための最適なGA散布技術を探索する。

[成果の内容・特徴]
  1. GA水溶液を50ppm程度で、開花期前後に散布することにより、新梢伸長が促進され、葉芽を含む複芽の着生が多くなる。散布時期については開花前、開花後どちらでも効果に差はない(図12)。
  2. 処理効果は濃度(50~200ppm)が高いほど大きく、着果負担を与えない方が樹勢回復効果は大きい(図3)。
  3. 果実品質に与える影響については、糖度、着色、果実肥大等について悪影響は見られず、渋味の指標値である全フェノールは若干少なくなる傾向であった。なお、散布量は1樹当たり250ml程度で十分である(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. GA散布は園内全ての樹を対象とするのではなく、樹勢が弱り始めた程度の樹を対象とするのがよいと考えられる。また衰弱の激しい樹に対しては顕著な回復効果は期待できない。ただし、GAはももに対して農薬登録がまだないので現場での使用はできないが、GAによる樹勢回復は、高樹齢樹、施設栽培条件下等で発生した樹勢衰弱樹にも効果があると考えられるので、さらに試験を継続しながら、早期の農薬登録を待ちたい。

 [その他]
 
研究課題名:ユスラウメ台を用いたモモの安定栽培技術確立試験
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成6~11年度)
研究担当者:矢野 隆、新開志帆、森口一志、清水康雄
発表論文等:ユスラウメ台モモ‘川中島白桃’の花芽形成に及ぼすジベレリン散布の影響、園芸学会雑誌、68巻、別1号、1999.
 
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