カンキツ「西内小夏」の施設栽培での無受粉、安定生産

[要約]
 
施設栽培での「西内小夏」は、ほぼ全果が自家結実するため、受粉樹が必要でなく、他からの花粉の侵入が少なく、少核となる。また、玉揃いがよく、豊産性である。「西内小夏」の花粉を日向夏、「宿毛小夏」に受粉すると、着果率は低いが、少核果となる。
高知県農業技術センター果樹試験場・常緑果樹科
[連絡先] 088-844-1120
[部会名]果樹
[専門]育種
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

日向夏の一部の産地において、寒害によるす上がり防止対策として施設栽培が行われている。しかし、着果期間は露地と同様で、樹への負担は大きく、樹勢の低下から隔年結果し、収量が不安定となっている。
そこで、豊産性である「西内小夏」の施設での特性を調査する。

[成果の内容・特徴]
  1. 施設栽培の「西内小夏」は、糖度がやや低く、日向夏より熟期がやや遅いが、自家結実し、豊産性である(図1)。また、日向夏、「宿毛小夏」に比較し、ほぼ全果が自家結実するため、玉揃いがよく秀品率が高い(図23)。
  2. 「西内小夏」の花粉を日向夏、「宿毛小夏」に受粉すると、着果率は25.35%と低いが、少核果となる(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 施設栽培において、「西内小夏」は、受粉樹の必要がなく、収量が多い。
  2. 「西内小夏」は、着果過多となりやすいので、次年度の母枝の確保のため部位別摘果が必要である。
  3. 「西内小夏」または「西内小夏」の花粉を受粉した日向夏、「宿毛小夏」は、2次生理落果後も、気象の変化により落果しやすいので注意が必要である。
  4. 施設栽培の日向夏では、数%の割合で無核果ができるが、「西内小夏」は、ほぼ全果が自家結実するため完全な無核果は少ない。

 [その他]
 
研究課題名:日向夏の施設栽培による早期出荷技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成4~10年)
研究担当者:谷岡英明、五百蔵茂、青木俊和、田中満稔、真鍋 糺
発表論文等:なし
 
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