「杉山温州」成木への加里肥料の削減

[要約]
 
杉山温州成木における栽培では加里肥料の低減が可能で、数年間の連続無施用あるいは慣行施肥量の50%程度を削減できる。
四国農業試験場・作物開発部・果樹栽培研究室
[連絡先] 0877-62-0800
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

温州みかんにおいて、生産現場では加里欠乏症ないし過剰症が問題になることは殆どない。また、これまで各地で行われた長期にわたる加里無施用試験においても樹体への影響がみられないことが多い。そこで、今一度加里肥料の削減の可否について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 杉山温州」成木に対し、加里肥料の施用量を標準122kg/haの200、100、50、0%で5年間栽培管理したところ、加里施用量間で収量に大きな差はない。
  2. 果実の肥大(9月から12月までの横径の肥大率)は標準施用区を100とした場合、施用量間に差はない(表1)。
  3. 果実の浮皮は、標準の200%施用や無施用区の方が浮き易い傾向にあるが、その差は小さい(表1)。
  4. 果皮色や果肉歩合でも施用量間の差はない。果汁の糖では、標準施用区に対し、200%施用や50%施用でやや高くなる。クエン酸には差がない(表1)。
  5. 春葉中無機成分含量は処理前と比べて多少の変動はあるものの、絶対値間での差は小さい(表2)。
  6. 以上から、加里施用量を数年間50%削減、ないし無施用とすることは可能である。

[成果の活用面・留意点]

  1. これまで加里肥料を長年にわたって施用してきた経過のある温州みかん成木に適用できる。
  2. 幼木や他のカンキツ類への適用には検討を要する。

 [その他]
 
研究課題名:有機質資材施用等と台木-穂木の組み合わせによる主要果樹生産システムの構築(加里施用量が杉山温州の収量、果実品質、春葉中無機成分に及ぼす影響)
予算区分:物質循環(一般別枠)
研究期間:平成11年度(平成4~10年)
研究担当者:内田 誠、瀧下文孝
発表論文等:なし
 
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