ツクネイモの効率的な種イモ生産方法

[要約]
 
ツクネイモの小分割イモから小イモを育成することで、優良種イモ大量増殖ができ、小イモをそのまま植え付け頂芽定芽)で栽培すると、慣行の50g分割栽培と同等の収量が得られ、秀品率の向上、種イモ量の減少が可能となる。
愛媛県農業試験場・栽培開発室・作物育種室
[連絡先] 089-993-2020
[部会名]野菜・花き・茶部会(野菜)
[専門]栽培
[対象]根菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

現在のツクネイモの生産は、前年の収穫イモの中から優良個体を種イモ用として保存しておいたものを、植え付け前に頂芽を取り除き1片50gに分割して植え付ける方法が取られている。この方法では収穫イモの約2割が種イモ用として必要になるため、出荷量の減少や保管場所の問題等が生産者に大きな負担となっている。また、収益上、種イモとして優良個体を残すことが難しいため、形状の乱れた個体も種イモとして使用することが多く、収穫イモの形状の乱れの一因にもなっている。
そこで、効率的な優良種イモの生産方法について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 1年目に、イモを、全ての切片に皮がつくようにして3g以上に小分割し、株間5~7cmで植え付け栽培すると、10g以上の小イモが育成される(表1図1)。
  2. 2年目に、10g以上の小イモを分割せず頂芽(定芽)をつけたまま植え付けて栽培すると、確実に萌芽し欠株がなく萌芽時期がそろい、50gの分割イモを植え付け栽培した場合と同等の収量が得られる(表2図1)。
  3. 小イモは、頂芽部を横にして植え付けると、つる首にならず形状のよいイモが収穫できる。
  4. 頂芽栽培では複数芽が出ないため、芽かぎ作業の必要がなく省力となる。
  5. 種イモを50gに分割して栽培する方法では10aあたり240kg程度の種イモが必要であるが、3g分割で小イモを育成する方法では14kg程度の種イモで10aに必要な小イモが生産できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 小分割には必ず、秀品で肥大のよい(500g以上)イモを用いる。
  2. 小イモの頂芽部が突き出たもの、扁平なものは、奇形イモができるため使わない。
  3. 小イモを植え付けるときは、頂芽を横向きにして植え付けるとよい。
  4. 新品種が育成された場合の早期増殖、普及に有効である。

 [その他]
 
研究課題名:ヤマノイモの効率的な種イモ生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成8年~11年)
研究担当者:玉置 学、安藤禎子
発表論文等:なし
 
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