清酒副産物の高度利用

[要約]
 
清酒副産物白糠を利用した醤油乳酸菌飲料の製造が図れる。また、突然変異で育種したホモ型変異株の酵母を使用し、白糠焼酎の香味の向上が図れる。    
高知県工業技術センター・技術第2部
[連絡先]088-846-1111   
[部会名]食品  
[専門]加工利用
[対象]水稲
[分類]普及

[背景・ねらい]

清酒製造の副産物として、県内では酒粕が約1000トン/年、白糠が約2000トン/年と多量に排出されており、これらの中には、アルコールや良質のデンプン等の未利用資源およびビタミンB群等の健康増進に寄与する機能性成分が多く含まれている。しかし、現状では、酒粕は漬物用として、また白糠は焼酎用原料として、一部利用されている程度にすぎない。このため、この試験では清酒副産物の白糠の高度利用および白糠焼酎の品質の向上を目的とする。

[成果の内容・特徴]
  1. 薄口醤油の製造に白糠を利用するには、醤油諸味に10%程度の白糠糖化液の添加であれば問題がない(表1)。
  2. 乳酸菌飲料の製造に白糠を利用するには、白糠糖化液を、Lactobacillus acidophilus(IAM10074)、Lactobacillus lactis subsp lactis(IAM1198)を用いて発酵させると、品質の良好な飲料が得られる(表2)。
  3. 清酒酵母は、突然変異がヘテロ型からホモ型になることによって、カプロン酸エチルの生成が高くなる株があり、これを用いることにより、白糠焼酎の香味の改善を図られる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 県内の醤油・飲料メーカーで、白糠を用いた醤油・乳酸菌飲料の製造に活用できる。
  2. 県内の焼酎製造場の白糠焼酎の品質改善に活用できる。
  3. 白糠への異物の混入に留意する。

 [その他]
 
研究課題名:バイオテクノロジーによる食品副産物の高度利用に関する研究
予算区分:国費補助事業
研究期間:平成8~10年度
研究担当者:久武陸夫、上東治彦、森山洋憲、菅野信男、中川悦子、永田信治、味園春男高知大学農学部)
発表論文等:変異型脂肪酸合成酵素遺伝子を導入した高香気性清酒酵母の育種と白糠焼酎醸造への応用,日本醸造協会試,第94巻第1号,1999。
        バイオテクノロジーによる食品副産物の高度利用に関する研究(第4報),高知県工業技術センター研究報告,第29号,1998。
        バイオテクノロジーによる食品副産物の高度利用に関する研究(第8、9報),高知県工業技術センター研究報告,第30号,1999。
 
目次へ戻る