ソマクローナル変異によるイチゴ複合耐病性系統の育成
[要約]
イチゴ
品種‘とよのか,の葯培養系より
ソマクローナル変異
を誘発し、
イチゴ萎黄病
に対して強い「FR‐135」、「FR-136」及び「FR‐145」を圃場検定により選抜した。これらの3系統は
イチゴ炭疽病
にも
耐病性
を有しており、今後の耐病性育種のための素材として利用できる。
香川県農業試験場生物工学・病害虫担当 [連絡先]087-889-1121 [部会名]生物工学 [専門]育種 [対象]果菜類 [分類]研究
[背景・ねらい]
香川県における主要なイチゴ栽培品種は、作型適応性や果実品質が優れているものの、イチゴ主要病害である萎黄病、炭疽病及びうどんこ病に対する複合的な耐病性をもっている品種はなく、これらの病害に対しては農薬による化学的防除に依存しているのが現状である。今後、環境保全型農業の推進に対応していくためにも、病害抵抗性品種の育成は育種課題として重要である。そこで、組織培養系により変異の拡大を図り、イチゴの耐病性品種を育成する。
[成果の内容・特徴]
「FR135」、「FR136」及び「FR145」の3系統はイチゴ品種‘とよのか,の葯培養系でのカルスの長期継代により得られた培養変異系統である。
「FR‐135」、「FR‐136」及び「FR‐145」はイチゴ萎黄病菌を接種した汚染圃場において、強い耐病性を示し、耐病性程度はイチゴ栽培品種「とよのか」、「さちのか」及び「女峰」より明らかに強い(
図1
、
表1
)。
選抜した3系統はイチゴ炭疽病に対しても耐病性を有している(
表2
)。
[成果の活用面・留意点]
イチゴの耐病性育種のための交配母本として利用できる。
現在、選抜系統の栽培特性を調査中である。
[その他]
研究課題名:バイオテクノロジーに関する特別研究
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(昭和57~平成12年)
研究担当者:
古市崇雄、筒井恭子、森 充隆、鐘江保忠
発表論文等:
イチゴ葯培養系を利用した病害抵抗性系統の育成,目本育種学会四国談話会会報33,p20,1999
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