山羊の周年放牧による遊休棚田の雑草管理

[要約]
遊休棚田に繁茂したススキ,イタドリ,クズ等の強勢雑草は,10アールあたり7~8頭の山羊放牧することにより,約1か月で抑制することができる。その後,1~2頭で放牧を継続すると,約50㎝以下の低草高状態で維持できる。
四国農業試験場・総合研究部・総合研究第2チーム
[連絡先]0877-62-0800
[部会名]傾斜地農業
[専門]農地防災・保全
[対象]雑草
[分類]普及

[背景・ねらい]

四国中山間の傾斜地では,機械作業に不適な小区画の棚田が多く,農村の高齢・過疎化により遊休地が増加している。遊休地化すると短期間で雑草が繁茂して,農地への復帰が困難になり,景観も悪化する。そこで遊休地の荒廃を防止し,農地へ復帰可能な状態で継続的に管理するため,適正頭数の山羊を放牧して強勢雑草を抑制し,草高の低い植生で安定的に維持・管理しようとする。

[成果の内容・特徴]
  1. 山羊の可食草の幅は広いが,草種により嗜好性に差がある。放牧当初は嗜好性の高いイタドリや,クズ,灌木の葉等を選択的に採食する。ススキ等嗜好性が低い雑草の抑制には,十分な放牧圧が必要である。(表1図1
  2. 遊休化後,数年経過した棚田・法面には,ススキ,イタドリ,クズ,ノイバラ,ヨモギ,ワラビ等の大型の強勢雑草が繁茂する。このような遊休地において,体重約35㎏の山羊を7~8頭/10a放牧することにより,約1か月で雑草の草高を約50㎝以下に抑制することができる。(図1
  3. 強勢雑草を抑制した後は,1~2頭/10aとして放牧を継続することにより,棚田の裸地を増加させずに,約50㎝以下の低草高の状態を維持することができる。(図2表2
  4. この放牧では山羊の体重変動は少なく,高い雑草管理能力を持続しながら周年放牧できる。(図省略)
[成果の活用面・留意点]
  1. 植生が大きく異なる地域では,頭数,期間を調整する。
  2. 毒性の強い雑草や,嗜好性が特に低い草種は別途除草する。
  3. 山羊の衛生面や,繁殖等について適正な管理を行う。
  4. 冬季の草量不足の補完,ならびに棚田植生の安定化促進のため,牧草類を導入する。

 [その他]
 
研究課題名:農耕地と周辺部の一体的保全・管理法の策定
予算区分:総合研究(地域総合)
研究期間:平成12年度(平成11~13年)
研究担当者:的場和弘,野中瑞生,長崎裕司,川嶋浩樹
発表論文等:なし 
 
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