環境保全型養液栽培されたトマトの消費者における許容価格調査

[要約]
消費者を対象にアンケートによって環境保全型養液栽培で生産されたトマトの許容価格を調査すると,L級で1個117.8円の平均値となり,普通のトマト(82.5円)より高い
評価が得られる。多くの消費者がトマト購入時に価格を重視するがその重要度は低く、栽培方法・品質面等で納得できれば価格が高くても購入される可能性は高い。
徳島県立農業試験場・経営科
[連絡先]088-674-1958
[部会名]営農・傾斜地農業
[専門]経営
[対象]果菜類
[分類]研究

[背景・ねらい]

トマトにおいて養液栽培の導入が進むなか、ロックウール培地から有機培地への切り替えや循環方式の採用等を中心とした環境保全型養液栽培の導入が図られつつあるが、生産コストの上昇を招くおそれがあり、通常のトマトより高い単価での販売が望まれる。
そこで、この技術によって生産されたトマトの許容価格を消費者へのアンケートにより調査する。また、今後の販売戦略につなげるため、消費者がトマトを購入する際にどのような点を重視しているのか明らかにする。なお、アンケート調査の概要は表1のとおりである。

[成果の内容・特徴]
  1. 普通のトマトの許容価格82.5円に比べ環境保全型養液栽培トマトは117.8円で高い評価を得ている(表2)。
  2. 環境保全型養液栽培トマトは有機栽培トマトと比べると評価は低いが、減農薬無化学肥料トマトとは同程度、減農薬減化学肥料トマトよりは高い評価が得られる(表2)。
  3. トマトを購入する際に最も重視する項目は「鮮度」であり、「価格」、「安全性」がそれに続き、以降、「味」、「色」、「国産か外国産か」、「完熟かどうか」、「産地」、「栄養価」、「食感」、「パッケージ」の順である(図1)。
  4. 「価格」を重視する回答者は多いが、1~3位に選択される割合が低く、重要度は高くないことから、品質あるいは栽培方法等の面で消費者が納得できるものであれば、多少価格が高くても購入される可能性は高い。
[成果の活用面・留意点]
  1. 環境保全型養液栽培によって生産されたトマトの消費段階での評価が明らかになり、生産に係るコスト計算や販売戦略において参考にできる。
  2. 基礎とした消費者リストは県流通対策室所有の各種事業関連名簿であり、対象とした消費者の多くは徳島県産の野菜全般に対し好印象を持っている可能性がある。そのため実際の許容価格よりやや高めになっているおそれがある。
  3. 環境保全型養液栽培の説明資料を調査票に添付して依頼したため、回答者にこの栽培方法を特別に意識させた可能性があり、他のトマトと比較して許容価格が高くなっているおそれがある。

 [その他]
 
研究課題名:環境保全型養液栽培の定着条件の解明
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:平成12年度(平成11年度~15年度)
研究担当者:秋月 学、喜田直康
発表論文等:なし
 
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