キウイフルーツの粗皮削りによる果実軟腐病の防除

[要約]
キウイフルーツ果実軟腐病菌は主として粗皮で繁殖し、粗皮を削ることにより本病の発生を抑制できる。
香川県農業試験場府中分場・環境担当
[連絡先]0877-48-0731
[部会名]生産環境(病害虫)
[専門]作物病害
[対象]果樹
[分類]普及

[背景・ねらい]

キウイフルーツ果実軟腐病は、年により多発生し安定生産の大きな阻害要因となっている。本病の伝染源は十分に解明されておらず、また薬剤防除だけでは十分に防除できていないのが現状である。本病の病原菌であるBotryosphaeria sp.とPhomopsis sp.は、樹の枯れた部分で繁殖する。そこで、キウイフルーツ樹で大きい面積を占める枯れた粗皮が伝染源であるか検討し、これに基づく防除対策を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 粗皮から果実までの距離と発病状況との関係は、粗皮に近い方が発病度が明らかに高い(図1)。
  2. 粗皮に形成されている分生子殻から常法により分離を行うと、本病の病原菌であるBotryosphaeria sp.とPhomopsis sp.が検出される(表1)。
  3. 粗皮から分離された病原菌を用いて果実に接種を行うと、有傷・無傷でも高率に発病し、また発病果実の全てからこれらの菌が再分離される(表2)。
  4. 粗皮削りを行った樹では、無処理の樹に比べて本病の発病度が明らかに低い(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. キウイフルーツ園内の全樹に粗皮削りを行うことにより防除効果を高めることができる。
  2. 粗皮削りは、手作業のほか粗皮削り機(バークストリッパー)を使用してもほぼ同様の効果がみられる。
  3. 本処理によりクワシロカイガラムシ被害の軽減も期待できる。
  4. 本処理によって日焼けが生じやすい部分には、日焼け防止剤の塗布や葉のついた枝の誘引を行う必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:難防除病害虫の防除技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成11年度(平成8年~)
研究担当者:衣川 勝、川西 健児
発表論文等:香川県農業試験場報告第52号、2000
 
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