高知方式湛液型ロックウールシステムにおけるキュウリの培養液処方
[要約]
高知方式湛液型ロックウールシステム
による
キュウリ
栽培において、培養液組成を
山崎キュウリ処方1.0単位に準拠
して、
リン濃度
を5.8me/リットル、
マンガン濃度
を0.2ppm、
亜鉛濃度
を0.4ppmにすることにより、
抑制作型
、
半促成作型
ともに生理障害が発生することなく、生育が旺盛となり
収量・品質
が向上する。
高知県農業技術センター・生産環境部・土壌肥料科 [連絡先]088-863-4915 [部会名]生産環境(土壌肥料) [専門]肥料 [対象]果菜類 [分類]普及
[背景・ねらい]
キュウリの養液栽培では、従来、土耕栽培と比較して十分な増収効果が得られていなかったが、「高知方式湛液型ロックウールシステム」を用いた栽培では、増収効果が認められた。しかし、県内で一般的に使用されている養液栽培用配合肥料を用いた山崎処方準拠1.0単位の培養液では、栽培後半にマンガン過剰症が発生し、収量・品質を低下させる傾向が認められた。
そこで、このシステムを用い、マンガン過剰症等の生理障害を防止し、キュウリの収量・品質をさらに向上させる培養液組成を検討する。
[成果の内容・特徴]
マンガン過剰症を防止するため、マンガン濃度は既存処方濃度(0.2~0.5ppm)の下限値0.2ppmとする(
図1
)。
側枝の伸長を促進して収量を向上さすため、リン濃度は既存処方濃度3.0~4.4me/リットルから、5.8me/リットルに上げる。ただし、リンの吸収量の増加に伴い、気温上昇期に亜鉛欠乏症が発生する恐れがあるので、亜鉛濃度を既存処方濃度0.05~0.2ppmから0.4ppmに上げる(
表1
、
2
、
図2
、
3
)。
その他の成分濃度は、山崎キュウリ処方準拠1.0単位とし、硝酸態窒素13.0me/リットル、アンモニア態窒素1.0me/リットル、カリウム6.3me/リットル、カルシウム7.0me/リットル、マグネシウム3.0me/リットル、鉄1.4ppm、ホウ素0.5ppm、銅0.02ppm、モリブデン0.01ppmとする。
特徴:マンガン過剰症および亜鉛欠乏症等の発生がなく、側枝の生育が旺盛で収量・ 品質が向上する。
[成果の活用面・留意点]
適用範囲は、高知方式湛液型ロックウールシステムによる抑制および半促成キュウリ とする。
品種は、台木に‘スーパー雲竜’、穂木は抑制作型では‘なおよし’、半促成作型で は‘シャープ1’を用いる。
[その他]
研究課題名:高知方式湛液型ロックウールシステムにおける野菜・花きの養分吸収特性の解明と養液処方の策定
予算区分:県単
研究期間:平成12年度(平成9~11年度)
研究担当者:山崎龍一、北村明久、飯田佳代
発表論文等:なし
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