VA菌根菌の共生率を高める培土の条件と共生がキュウリの収量に及ぼす影響

[要約]
キュウリ台木‘スーパー雲竜’に対するVA菌根菌共生率は、リン酸施肥量を減じて有効態リン酸を少なくするか、培土にパーライトイソライトを混入すると高まる。また、VA菌根菌を共生させてもキュウリの収量は必ずしも向上しない。  
高知県農業技術センター・生産環境部・土壌肥料科
[連絡先]088-863-4915
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専門]肥料
[対象]果菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

土壌改良を目的とした多種多様な微生物資材が流通している中で、VA菌根菌資材が微生物資材として初めて地力増進法で定める土壌改良資材として指定された。そこで、VA菌根菌の共生率を高めるための育苗培土の条件を明らかにするとともに、VA菌根菌の共生がキュウリの収量に及ぼす影響について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. キュウリ台木‘スーパー雲竜’に対するVA菌根菌の共生率は、供試培土が同じ場合では、リン酸施肥量を減じて有効態(トルオーグ)リン酸含有量を少なくした方が高まる(表1)。
  2. リン酸施肥量が同等の場合、共生率は原土に混入する土壌改良資材の種類によって異なり、バーク堆肥やバーミキュライトよりもパーライトやイソライトを使用することにより共生率が高まった。また、土壌改良資材の混入割合が10:1~2:1の範囲では物理性の変化は認められるものの、共生率に差は認められない(表2)。
  3. キュウリ(台木:‘スーパー雲竜’、穂木:‘シャープ1’)にVA菌根菌を共生させた場合、キュウリのリン酸吸収量は、ほぼ同等か増加する傾向が認められた。また、上品収量は向上する場合もみられるが年次による変動がみられ、共生率が高くても必ずしも収量は向上しない(図1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 培土中の有効態リン酸含有量が少なすぎるとリン酸欠乏により生育が抑制されることがあるので注意する。

 [その他]
 
研究課題名:土壌微生物資材の土壌改良効果の判定および施用法の確立
予算区分:県単
研究期間:平成12年度(平成8~11年度)
研究担当者:松岡俊二、恒石義一
発表論文等:なし
 
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