傾斜地域の農地における樹林域の影響を考慮した可照時間の推定法
[要約]
開発した手法は、
中山間傾斜地
において、
樹林域の影響を考慮
した
可照時間
を推定でき、樹林域周辺部に存在する可照時間の短い農地の抽出を可能にする。
四国農業試験場・作物開発部・気象資源研究室・企画連絡室・研究技術情報科 [連絡先]0877-62-0800 [部会名]生産環境(農業気象) [専門]農業気象 [対象] [分類]研究
[背景・ねらい]
中山間地では、多くの農地の周辺に樹林域が存在し日照条件に多大な影響を及ぼしている。とくに傾斜地農業地帯における地域営農計画を策定するうえで、日照環境は作物生育の良否ばかりか品質にも大きく影響するなど、収益性の高い農業生産の重要課題となっている。しかし、従来の可照時間推定では樹林域の影響評価が行われていなかった。そこで、数値地籍情報を用いて樹林域を考慮した可照時間(快晴日における地形を考慮した最大日照時間)を推定する手法を開発する。
[成果の内容・特徴]
数値地籍情報を用いて樹林域に含まれる地点を抽出して、樹林域の数値地図を作成し、これに標高データを組み合わせて、地形・樹林域を考慮した可照時間を推定する手法である(
図1
)。この地域の平均樹高(20m)を樹林域に含まれる標高に付加し、樹林域の影響を考慮した可照時間分布図を作成する(
図2
、
図3
)。
樹林域を考慮しない場合に比べ、樹林周辺部では可照時間が著しく短くなり、4~5時間の差が生じる場合もある(
図4
)。
[成果の活用面・留意点]
本推定法を用いることにより、傾斜度、傾斜方向が複雑な傾斜地における可照時間分布の推定が可能になる。
平均樹高(この地域では20m)は、樹高の実測値に基づいた。しかし、樹高や樹林域の分布は複雑多様であり、樹林が可照分布に及ぼす影響も地点により異なる場合がある。
[その他]
研究課題名:環境資源を活用した作物栽培のための地域メッシュデータの作成
予算区分:経常
研究期間:平成12年度(平成7~11年度)
研究担当者:佐藤恵一・菅谷博・佐々木華織・西原勝雄・藤田晴啓
発表論文等:
Extraction of shaded farm lands by GIS and their climatic resource analyses. The proceedings of XIV memorial CIGR world congress 2000. 1739-1743
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