大麦の加熱褐変に関与するポリフェノール成分
[要約]
大麦
の
カテキン
及び
プロアントシアニジン
であるプロアントシアニジンT1、プロアントシアニジンB3、プロシニアジンB3は加熱により着色し、その含有量が
加熱褐変
の程度に影響する。
四国農業試験場 作物開発部 品質評価研究室 [連絡先]0877-62-0800 [部会名]水田畑作 [専門] 食品品質 [対象] 麦類 [分類] 研究
[背景・ねらい]
大麦を麦飯や麺などの食用に利用する際、加熱調理時に褐変が起こりやすく品質上の問題となっている。この加熱褐変を低減させるためには、原因となる成分を明らかにする必要がある。そこでポリフェノール成分について、含有量と褐変との相関や、加熱による着色反応の有無を調べ、関与成分を解析する。
[成果の内容・特徴]
大麦の粗ポリフエノール画分を高速液体クロマトグラフィーで分離(
図1
)するこ とにより、主要な成分を定量できる。また、大麦粉に蒸留水を混合したペーストを加熱し、その前後にハンター白度を測定することにより、その差から加熱による褐変が測定できる。
プロデルフィニジンT1(PDT1)、プロデルフィニジンB3(PDB3)、プロシアニジンB3(PCB3)及びカテキンの含有量は、加熱褐変の程度と有意に相関する(
表1
)。
PDT1,PDB3,PCB3、カテキンの各成分は、中性の溶液中で加熱すると可視領域(400~700nm)の吸光度が増加し(
図2
)、着色がみられる。
ポリフェノールは穀粒の表層に多く(搗精歩合90%の大麦粉の総ポリフェノール量は75%の約1.7倍)含まれ、特にPDT1、PDB3、PCB3はその傾向が、顕著である(
図3
)。
[成果の活用面・留意点]
大麦の加熱調理時の褐変を低減させるには、プロアントシアニジン類(PDT1,PDB3,PCB3)やカテキンの含有量が少ない品種の利用や、表層に分布してい るポリフェノールの搗精による除去が有効である。
加熱調理時の褐変の原因は、ポリフエノール成分以外に糖類、遊離アミノ酸、タンパク質など他の成分の影響も想定されるので、これらを考慮する必要がある。
[その他]
研究課題名:大麦の加熱褐変に影響する成分及びその相互作用の解明
予算区分:科振調(重点基礎)
研究期間:平成12年度(平成11年)
研究担当者名:神山紀子、藤田雅也、(資源作物育種研)、亀山眞由美、小野祐嗣(食総研)
発表論文等:オオムギ粉の加熱褐変におけるポリフェノール成分の影響、四国農試報、第65号、1-7、2000
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