3倍体無核・早生のスダチ新系統「上板4号」

[要約]
4倍体スダチに2倍体の花粉を交配して得られた交雑胚を培養し,フロ-サイトメーターを用いて3倍体を効率的に選別した。その中から無核早生系統である「上板4号」を選抜した。「上板4号」は,有核の主要栽培系統に比べて,果汁が豊富な点および果肉の緑色が濃い点で優れる。
   徳島県果樹試験場県北分場 母樹品種科
    [連絡先]088-694-2712
   [部会名]果樹・生物工学
   [専門] 育種
   [対象]  果樹類
   [分類]  普及

[背景・ねらい]

スダチの育種において,果実の無核化は消費者ニーズに鑑みた重要な課題である。既存の無核系統はいずれも数個の完全種子をしばしば形成するほか,有核系統よりも小果で商品価値も低い。そこで、広く栽培普及できる優良な無核系統を新たに育成する。

[成果の内容・特徴]
  1. スダチ系統「上板4号」は,平成3年に本田系の芽条変異4倍体(系統名:HS4)と緑香系2倍体との交雑胚を培養して得られた3倍体である(図1)。
  2. 「上板4号」は果実あたりの完全種子が平均1個未満の無核系統であると言える(表1図2)。
  3. 「上板4号」は,既存系統より約1ヶ月早い時期から収穫できる早生系統である(表1)。
  4. 「上板4号」は「徳島1号」等の有核の主要栽培系統に比べて,果汁が豊富な点および果肉の緑色が濃い点で優れる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「上板4号」を導入することにより,収穫労力の分散および経営規模の拡大が図れる。 スダチ産地では,無加温ハウス栽培と露地栽培の端境期となる7月下旬~8月中旬に高品質果実生産が見込める系統として有望である。
  2. 低樹齢時における枝梢の刺の発生が既存品種より多いため,かいよう病防除に留意する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:3倍体スダチの作出による無核スダチの育成
予算区分:県単
研究期間:平成12年度(昭和63~ )
研究担当者:徳永忠士、竹中美香、山尾正美
発表論文等:1.3倍体スダチ(上坂4号)の果実特性、育種学会四国談話会会報,第33号,26-28,1999
                  2.フロ-サイトメ-タ-を用いた3倍体香酸カンキツの簡易選抜,徳島果試研究報告,第25号,17-20,1997
                  3.平成13年 種苗登録申請予定
 
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