ハウスミカンにおけるアザミウマ類被害果の判別のための近紫外線ランプの利用

[要約]
ハウスミカンの収穫果に暗黒下で近紫外線(UV-A)を照射することによって,自然光下では判別困難な,アザミウマ類の被害痕を容易に 確認できる。この方法により,出荷後の腐敗果の発生を軽減できる。
香川県農業試験場府中分場 栽培担当  
[連絡先]0877-48-0731 
[部会名]果樹・傾斜地農業
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]普及

[背景・ねらい]

近年,ハウスミカンでは,出荷後,市場及び店頭での果実腐敗が多発し,大きな問題となっている。これは,ミカンキイロアザミウマを主としたアザミウマ類の被害痕に腐敗菌が侵入することが大きな原因と考えられている。この被害痕は,極めて小さいため,家庭選果や共同選果場における判別が困難である。そこで,確実に,また効率的に被害果を判別する方法について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. ハウスミカン果実に,暗黒下で,近紫外線(UV-A:ピーク波長 365nm)を照射すると,アザミウマ類の被害痕は蛍光を発するため,肉眼での判別が容易となる(図1, 図2)。
  2. 暗黒下で果実全面に近紫外線を照射し,果実表面の蛍光の多少により,アザミウマ類被害果を判別する。これにより,自然光下における判別と比較して,約60%の時間で効率的に選果できる。
  3. 小規模な家庭選果において実用性があるが,照射時に,ハサミ傷,腐敗等の障害部位も浮き上がって見えるため,同時に判別できる。そのため,選果後7日目の腐敗果の発生はほとんど無くなる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 近紫外線(UV-A)ランプは市販されており,一般の照明器具に取り付けて容易に利用できる。
  2. 近紫外線の照射は,暗黒化で行う方が,判別が容易である。
  3. 光量や照射方法を検討するこにより,大規模な共同選果においても適用が可能であると考えられる。
  4. 近紫外線(UV-A)は,日焼けを起こしやすいため,防護対策に留意する。

 [その他]
 
研究課題名:ハウスミカン軽労型高品質生産システムの確立
予算区分:地域基幹農業技術体系化促進研究(国補)
研究期間:平成12年度(平成10~14年)
研究担当者:坂下 亨・森末文徳・中西正憲・片山哲治
発表論文等:なし
 
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