イチゴ‘さちのか’の小型ポット育苗における花芽分化率向上のための低温暗黒処理法

[要約]

イチゴさちのか’の小型ポット育苗における、低温暗黒処理での花芽分化率向上には、処理温度を17~19℃程度とし、8月30日から22日程度の処理とすることで、約80%の株が花芽分化し、開花株1株当たり120g程度の年内収量が得られる。
愛媛県農業試験場 栽培開発室 
 [連絡先]089-9973-2020
 [部会名]野菜・花き・茶
 [専門]栽培
 [対象]果菜類
 [分類]普及

[背景・ねらい]

イチゴ‘さちのか’は、食味が良く果実が硬く日持ち性に優れるなどの長所があり、本県でも徐々に普及している。しかし‘さちのか’は、従来の品種に比べて開花が遅い上、早出しのために低温暗黒処理を行っても花芽分化率が低いという問題がある。そこで、‘さちのか’の小型ポット育苗における、低温暗黒さちのか’の小型ポット育苗に処理での花芽分化率向上方法について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. ‘さちのか’は、低温暗黒処理温度が13~15℃では花芽分化率が低く、17~19℃のやや高い温度域で花芽分化率が大きく向上する特性がある(図1)。
  2. ‘さちのか’は、17~19℃で8月30日から22日程度低温暗黒処理することにより、約80%の株が花芽分化し、無処理苗に比べ8日程度開花が促進される(図1)。
  3. 低温暗黒処理の開始時期を20日程度早めた場合(8月11日処理開始)、花芽分化率は17℃で最も優れるが、この場合、花芽分化率が30%程度に低下するため、実用的な処理開始時期は8月30日頃である(図1図2)。
  4. 低温暗黒処理中の温度管理は変温管理にする必要はなく、17℃程度の一定でよい(図2)。
  5. 17~19℃で低温暗黒処理し、花芽分化した株の生産力は、13~15℃で処理したものと比べて収量や品質面で同等以上であり、株当たり120g程度の年内収量が得られる(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 育苗時の鉢受け時期や施肥管理を徹底し、充実した苗を用いる。
  2. 17~19℃で低温暗黒処理する場合、処理前の遮光は入庫中に葉焼けや根の褐変等の苗傷みを生じることがある。

 [その他]
 
研究課題名:イチゴ新品種作柄安定化技術開発試験
予算区分:県単
研究期間:平成12年度(平成9年~12年)
研究担当者:角田和利、福田康彦、大林弘道
発表論文等:なし
 
目次へ戻る