高知方式湛液型ロックウールシステムによる米ナス「くろわし」の促成栽培

[要約]
高知方式湛液型ロックウールシステムによる米ナス 「くろわし」の促成栽培 では、実生苗を使用し 、育苗期には山崎ナス処方準拠の0.4単位、本圃では1.0単位の培養液を用いることで、育苗の省力化が図られ、土耕に比べて増収する。
 高知県農業技術センター・作物園芸部・施設野菜科
 [連絡先]088-863-4918
 [部会名]野菜・花き・茶(野菜)
 [専門]栽培
 [対象]果菜類
 [分類]指導

[背景・ねらい]

養液栽培は、土耕栽培に比べて肥料養分の調節が容易であり 、連作障害がほとんど発生しないことから生産が安定しており、栽培管理の省力化、作業環境の快適化の可能な栽培技術としても注目されている。そこで当センターで開発し 、促成ナスで有利性が認められた高知方式湛液型ロックウールシステムでの促成米ナス「くろわし」の本システムへの適合性を検討し、その栽培技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 定植時期および収穫期間:9月20~25日頃に定植して、6月末に収穫打ち切りとする。
  2. 品種:「くろわし」(実生苗)とする。
  3. 育苗:出芽揃い後に75mm×75mm×75㎜のロックウールキューブに移植し、培養液は山崎ナス処方に準拠した0.4単位の濃度とする。育苗日数は40日程度(1番花の開花4~5日前)とする。
  4. 本圃:うね幅180cm、株間80㎝とし、主枝は3~4本仕立てで、側枝は1芽摘心とする (図1)。培養液は山崎ナス処方に準拠した1.0単位EC:1.8mS/cm)の濃度とする(図2)。1株当たりの給液量は1.2リットル、排液率は15~20%になるように調整する。昼温は午前28℃、午後25℃、夜間は最低夜温が15℃以下にならないように管理し、培地は無加温とする。
  5. 特徴:接ぎ木作業が不要で育苗日数が短縮され、育苗の省力化が図られる。また、土耕に比べて上品収量が多い(図3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 育苗期後半には蒸発散量が急激に増加するため、育苗キューブの乾燥に注意する。また、定植後活着までは手がけで給液する。
  2. 第1果は摘果し、主枝はV字型に誘引し樹勢が弱らないようにする。
  3. 苦土欠症が見られたら、硫酸マグネシウムの200~500倍液を3~4回葉面散布し樹勢を維持する。
  4. 湛液中のEC値が3.0mS/㎝以上となった場合には、1.0mS/㎝の培養液を栽培ベット10m当たり150リットルを給液してEC値を低下させる。
  5. 着果負担が大きくなりすぎると、心止まりや収穫後期の葉の黄化、落葉がみられ、収量・品質が低下する場合がある。 

 [その他]
 
研究課題名:高知方式湛液型ロックウールシステムよる特産野菜のシステム適合性と栽培管理技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成12年度(平成9~11年度)
研究担当者:山本正志,前田幸二
発表論文等:園学中四国支部要旨,39,2000。
 
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