シンテッポウユリ新品種「阿波の白雪」

[要約]
シンテッポウユリ新品種「阿波の白雪」は、「新雪」から選抜・育成した品種であり、生育開花そろいが良好で、花がやや上向きに咲き、葉枯病にも市販品種と同等の強さを示す早生の品種である。 
徳島県立農業試験場  花き科 
[連絡先]088-674-1660
[部会名]野菜・花き・茶(花き)
[専門]育種
[対象]花き類
[分類]普及

[背景・ねらい]

シンテッポウユリは夏期のユリとして需要が多い。しかし、現在市販されている品種は生育開花が不ぞろいである。露地栽培が中心のため、西南暖地では梅雨時期に葉枯病防除に労力を要するなどの問題点がある。
そこで、①生育開花そろいが良好、②葉枯病に強く栽培が容易、③花が上向きに咲く、④花数が3~4個等の良好な特性と市場性を備える西南暖地栽培向きの品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
  1. 育成経過
  2. 平成元年から「新雪」を栽培し、集団選択法によって3~4個の花が上向き咲く個体の育成を行った。平成6年度に育成後代が市販品種と比較して葉枯病に強いことを確認し、とくに花が上向きに咲く個体数を選抜し、交配を行った。平成7年度から循環選抜法によって組み合わせ能力の検定を行い、平成10年度に優秀な1組合わせを選抜した。
    平成11、12年度にこの育成系統の特製調査を行い、目的とする特製と良好な品質を備えることを確認し育成を終了した。今後、「阿波の雪」の名称で品種登録出願を行う予定である。

  3. 特性
  4. 1)種子は選抜した親株を交配して得る。親株はりん片繁殖で増殖・保存する(図1)。
    2)播種後約2週間で発芽が始まり、播種後1カ月の間にほぼ100%発芽する。4月中旬に定植すると開花は7月中旬から始まり、早生品種の「雷山1号」より開花盛期は約1週間ほど早く、収穫期幅は短い。2番花が採花できる株がある (表1)。
    3)収穫時の重量は200g前後で,草丈は約110cmである。花数は2~5個が多く、花の向きはやや上向きである。他の品種と比べ本葉はやや細長く、花はほぼ同じ大きさである。葉枯病耐病性は、市販品種とほぼ同等の強さを備える品種と思われる(表1,2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 種子の供給は県内に限る。
  2. 種子を安定的に確保するため、親株はハウス栽培が望ましい。
  3. 播種後は室温を15℃以上を保ち、本葉出葉始め頃から徐々に温度を下げる。

 [その他]
 
研究課題名:主要花きの品種改良と優良種苗の育成
予算区分:県単
研究期間:平成12年度(平成元~12年)
研究担当者:高木和彦,前田典子,新居宏延
発表論文等:なし
 
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