デルフィニウムのエチレン受容体遺伝子の解析

[要約]
デルフィニウムの採花4日目の小花では、シロイヌナズナ等が持つエチレン受容体遺伝子群(ETR1)のエチレンレスポンスセンサー(ERS)遺伝子と類似したmRNAが存在する。
愛媛県農業試験場・作物育種室
[連絡先]089-993-2020
[部会名]生物工学
[専門]バイテク
[対象]花き類
[分類]研究

[背景・ねらい]

デルフィニウムの育種では、花持ち性の向上が重要な課題である。そこで、エチレンにより花弁離脱が進む性質のある本植物のエチレンシグナル伝達関連遺伝子を解析し、花持ちの良いエチレン非感受性株を遺伝子組換え技術によって作出するための基礎知識を得る。 

[成果の内容・特徴]
  1. デルフィニウム品種‘マジックファンテンズダークブルー’の採花後4日目の小花では、シロイヌナズナやトマトが持つエチレン受容体遺伝子群(ETR1)に属するエチレンレスポンスセンサー(ERS)遺伝子と類似した2つのタイプのmRNAが存在する(図)。
  2. 両タイプのmRNAはいずれも606個のアミノ酸読み取り枠をコードし、ETR1関連タンパク質特有の膜貫通ドメインとヒスチジンキナーゼドメインの保存モチーフ、ヒスチジンキナーゼ活性に必要なヒスチジン残基を保持する。ETR1配列に見られるレシーバードメインは無い。
  3. 両タイプのmRNAは4カ所のアミノ酸が異なるだけであることから、対立遺伝子の関係にあると考えられる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 今回の遺伝子情報を基に、デルフィニウムにおける他のエチレン受容体遺伝子(群)の単離やその発現様式の解析が効率的に行える。なる。
  2. エチレン非感受性株の作出にあたっては、変異挿入等により不活化する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:優良品種開発バイオ技術研究
予算区分:県単
研究期間:平成12年度(平成8年~ )
研究担当者:廣瀬由紀夫、淺海英記(愛媛農試)、羽方誠、黒田智、阿部俊之助(愛媛大農)
発表論文等:日本育種学会第99回講演会にて発表予定    
 
目次へ戻る