RLGSによる菌類の変異解析法
[要約]
RLGS (ゲノムスキャニング法)
は
菌類
における
変異株
と野生株のDNAレベルでの違い (
DNA多型
) を効率的に検出する手法として有効である
。
四国農業試験場・作物開発部・育種工学研究室・病虫害研究室 [連絡先]0877-62-0800 [部会名]生物工学 [専門] バイテク [対象] 微生物 [分類] 研究
[背景・ねらい]
菌類においても様々な変異株をDNAレベルで効率的に解析する手法が求められている。そこで,微少な遺伝的変異に基づくと考えられる
Colletotrichum acutatum
と
C. gloeosporioides
の硝酸塩利用能欠損変異株 (表現型
nit
1) を,DNA多型検出法のひとつであるRLGS (ゲノムスキャニング法) によって分析し,菌類の変異解析における本法の有効性を評価する。
[成果の内容・特徴]
C. acutatum
および
C. gloeosporioides
の
nit
1変異株の全DNAを
Not
1(ランドマーク)
Eco
RV
Mbo
Iの制限酵素組み合わせでRLGS分析すると,約3,000個のスポットからなるプロファイルが得られる
(図)
。
変異株のプロファイルを野生株のものと比較すると,両者間に違い (多型) が認められる。野生株では変異株と比べ,強いシグナルのスポット (高コピースポット) が検出できる (
図中矢印
)。
他のスポットには違いが認められないことから,多型スポットに対応するDNA領域が
nit
1変異と関連している可能性がある。
。
RLGSは菌類における変異株と野生株のDNAレベルでの違いを効率的に検出する手法として有効である。
[成果の活用面・留意点]
ゲノム情報が乏しい菌類の病原性や薬剤耐性等の表現形質関連遺伝子を単離する際,その一次スクリーニングにRLGSが利用できる。
RLGSを行うには,ラジオアイソトープ施設およびプロファイルの画像解析処理装置が必要であ
る。
[その他]
研究課題名:菌類における遺伝的変異のRLGSによる高率検出に関する研究
予算区分:重点基礎
研究期間:平成12年度(平成9年~13年)
研究担当者名:富岡啓介, 佐藤豊三, 河瀨眞琴, 石原次郎, 笹谷孝英, 小金澤碩城, 石川浩一
発表論文等:1.
Colletotrichum gloeosporioides
の
nit
1変異株と野生株間のRLGSによるDNA多型検出, 日本菌学会第44回大会講要, 51, 2000.
2. Differencce of RAGS profires between
nit
1 mutants and thir wild type of
Colletotrichumgloeosporioides,
Phytopathology,90(supplement),S77,2000.
3.RLGS of
nit
1mutants produced in a fungus,
Colletotrichum acutatum
,
Abstracts of 23rd annual meeting of moleculer biology society of Japan,704,2000
目次へ戻る