機能性をもつ農林水産物・食品開発プロジェクト

我が国には、多様で豊かな旬の食材を用い、栄養バランスのとれた和食という食文化があります。また、我が国の農作物の品質の良さ、種類・品種の多様さ、安全に関する信頼性は世界屈指の水準と言われ、健康を維持・増進する作用が期待される(健康機能性を持つ)農作物も多くあります。
一方、近年の食習慣の変化などにより、メタボリックシンドローム、各種の生活習慣病などの健康上の問題が大きくクローズアップされています。その他、認知機能や精神的ストレスなどについても食品による改善作用があると言われています。しかし、現在、こうしたリスクを抱えた方々のニーズに応えて適切な食品や栄養指導を提供するための知見は十分とは言えません。
こうした情勢に対応するため、農林水産省の予算措置により平成25年7月に本プロジェクト研究がスタートしました。公募により選ばれた下記の課題により、農林水産物や加工食品の持つ機能性をヒトの介入試験や基盤的な研究により科学的に解明することで、我が国の豊かな食材を活かした自然な食生活により健康で豊かな生活を享受出来る社会の構築に貢献します。
- 健康機能性を持つ農林水産物・加工品の開発
- 新しい健康機能性の解明、健康機能性の評価手法の開発
- 食品の健康機能性に関するデータベースの構築と栄養指導システムの開発、個人の健康状態に応じた健康機能性を持つ食品の供給システムの開発
このプロジェクトに関係が深い、新たな食品表示法が平成27年度より施行されます。本プロジェクトは、将来に向けた食品の機能性に関する基盤的な測定・評価技術を確立し、機能性を持つ農林水産物や加工食品を科学的に評価するモデルを提案することを目的としております。本プロジェクトの成果が、今後新制度のもとで有効に活用されていくことを期待しています。