北海道農業研究センター寒地畑作研究領域畑作物育種グループの 野田 高弘 グループ長補佐が、日本応用糖質科学会2021年度大会において学会賞を受賞しました。
受賞年月日
令和3年9月2日 (木曜日)
場所
日本応用糖質科学会 2021年度大会 (オンライン開催)
内容
受賞業績名
地域糖質資源の高度利用に関する基盤的研究 ‒北海道産馬鈴薯澱粉の特性とその利用‒
受賞者名
野田 高弘 (農研機構北海道農業研究センター)
概要
地域糖質資源の高度利用に関する基盤的研究、特に北海道における主要畑作物である馬鈴薯から得られた澱粉の特性とその利用に関する研究業績に対して、日本応用糖質科学会より令和3年度の学会賞が授与されました。
馬鈴薯は、小麦、甜菜、豆類とともに北海道の畑作地帯における基幹作物で、澱粉が主成分であるため、北海道における地域糖質資源として位置づけられています。馬鈴薯澱粉は、他の澱粉と比べてリン酸基が多く存在するといった特徴があります。受賞者は馬鈴薯澱粉に含まれるリン酸基に着目し数多くの研究成果を生み出しました。まず、澱粉中にリン酸基が多く存在するものは、消化されにくく、機能性が期待できることを明らかにしました。また、リン酸基にカルシウム等の有用な2価カチオンを結合させる技術を確立し、このような新規の馬鈴薯澱粉を用いることで、従来の馬鈴薯澱粉を用いるのと比べて、外観、食感に優れた食品が開発できました。
本研究は、馬鈴薯澱粉の高付加価値化に関する指針を与えるものであり、実用面から高く評価できるとともに、本研究を構成する内容の多くは、すでに論文に掲載され、諸外国からの引用数も多いことから、学術上の意義は大きく、本学会賞に的確であると認められました。