賞の名称
農業施設学会奨励賞
授賞者
農業施設学会
受賞対象
蓄冷材を利用した鮮度保持と赤外・ラマン分光法による農産物分析に関する研究
受賞者
食品流通・安全研究領域 分析評価グループ 主任研究員 源川 拓磨
受賞日
2021年9月21日
賞の概要
青果物輸出におけるコールドチェーンの切れ目対策となり得る蓄冷材を用いた品質保持に関する研究および赤外分光法・ラマン分光法を用いて農産物の品質を迅速に評価する手法に関する研究が評価され、農業施設学会奨励賞を受賞しました。
受賞者は、コールドチェーンが確立されていない東南アジアへの農産物の輸出を想定し、イチゴやベビーリーフの貯蔵試験を実施し、保冷ボックスと蓄冷材を使用した輸送技術がコールドチェーンの切れ目を補う手法として有効であることを示しました。具体的には、貯蔵時(輸送時)の温度・湿度の環境計測や農産物の品質評価を行い、保冷ボックスと蓄冷材の利用により数日間低温状態を維持できること、および冷凍機を用いた冷蔵よりも高湿度状態を安定して維持できること等を明らかにしました。また、赤外分光法・ラマン分光法を用いた農産物分析の研究においては、赤外分光法により貯蔵中の玄米の脂肪酸度(Fat acidity)を簡便かつ迅速に計測する手法、およびラマン分光法によりトマトのカロテノイド量を非破壊で迅速に計測する手法を開発しました。