受賞
令和2年 技術賞 (日本科学飼料協会)
受賞対象
飼料を通じた畜産物の安全性に関する評価技術の開発
受賞者
動物衛生研究部門 病態研究領域
生化学ユニット長山中典子
受賞日
令和2年7月28日
受賞業績の概要
健全な家畜から健全な畜産物を供給するためには、飼料の安全性を確保することが必要です。飼料への有害植物・重金属の混入や飼料配合の失宜による家畜の中毒、環境汚染物質やカビ毒による飼料汚染は、家畜の損耗だけでなく畜産物の汚染を介してヒトの健康被害につながります。
山中ユニット長は、これまで種々の家畜中毒症例の診断を行うとともに、国内の家畜中毒症例を収集して中毒事例の診断を支援する「家畜中毒疾病診断データベース」を構築しました。また、家畜を多く用いる毒性試験を代替する評価手法を開発するために、牛や鶏の解毒機能を解析し、生体異物に対する薬物代謝応答を有する家畜由来初代培養肝細胞や肝臓由来不死化細胞の作出を行って、家畜の細胞を用いた安全性評価手法の実用化への端緒となる研究を行ってきました。
これら一連の飼料の安全性を評価する手法の開発に関する業績に対して、今年度の日本科学飼料協会技術賞が授与されました。