農業政策で注目されている研究成果
「農業新技術200X」は、農林水産省が、農業の競争力強化、農産物の安定供給・自給率向上等の課題の解決に向けて、開発された技術を生産現場に迅速に普及・定着させるため、近年の研究成果のうち、早急に現場に普及すべきものを毎年選定し、公表したものです。
平成27年度に「農業新技術200X」の選定及び活用手法について見直しを行い、「新品種・新技術の開発・保護・普及の方針」(平成25年12月11日攻めの農林水産業推進本部決定)に基づき導入が期待される「品種・技術リスト」に新たに追加されるすべての品種・技術を「最新農業技術・品種2015」として幅広に紹介することとなりました。
「最新農業技術・品種2015」記載品種・技術
- 水稲作におけるリン酸肥料削減の基本指針
地力増進基本指針の下限値を超えてリン酸が蓄積している水田土壌におけるリン酸減肥指針の策定 - 地下水位制御システムを用いた梅雨明け後に播種する大豆の苗立ち安定向上技術
地下水位制御システムを利用し、高温少雨期に播種した大豆の出芽率を向上し、苗の生育を斉一化する - かんしょ新品種「こなみずき」でん粉の食品加工利用技術
「こなみずき」でん粉を使用することにより弾力感の付与、付着性の低減など食感を改良した加工食品の開発技術 - 飛翔能力を欠くナミテントウ製剤の利用技術マニュアル
飛翔能力を欠くナミテントウは、複数の作物でアブラムシ類に対する高い防除効果を示し、 2014年より天敵製剤として販売開始 - 前作としてブロッコリーを作付けすることによるナス半身萎凋病の発病抑制
ナス半身萎凋病の発生は、ナスを定植する前にブロッコリーを作付けすることによって減らすことができる - 増収とリン酸減肥を可能にする定植前のネギ苗へのリン酸カリ溶液施用
ネギ苗を高濃度のリン酸溶液に定植前に浸漬することにより、リン酸施用量を50%削減しても、慣行と同等以上の収量を確保 - 簡易設置型パッド&ファン装置を利用した夏季施設トマトの加湿冷却技術
比較的安価で中小規模施設にも導入可能な、簡易設置型パッド&ファン装置を利用した冷房技術を開発 - 気化潜熱利用による兵庫方式高設栽培装置の培地昇温抑制技術
上面以外が発泡スチロールで閉鎖されているイチゴ高設栽培槽内部への送風による簡易・安価な昇温抑制技術 - クリの凍害に対する危険度判定指標と対策技術マニュアル
あらかじめクリ園地の凍害に対する危険度を判定し、各園地の条件に適した対策を実施できる技術マニュアル - 形状や大きさが多様なカキ果実を溶液処理のみで剥皮する方法
溶液での簡便な処理により、干柿加工の剥皮工程を省力化し、多品種に適用可能な、カキ果実の新しい剥皮方法 - 果樹の樹体ジョイント仕立てを核とした省力、低コスト栽培システム
主要樹種での樹体ジョイント栽培に適した樹形の開発および省力・低コスト栽培の実現 - 気温差制御による防霜ファンの稼働時間短縮
気温差制御により防霜ファンの稼働を効果が高い時に限定することで稼働時間を短縮し、ランニングコストを削減 - 各種機能性成分を短時間・効率的に抽出できる給茶機リッチプラス
機能性成分(メチル化カテキン、エピガロカテキン、テアニン)を短時間(20~30秒)で効率的に抽出できる給茶機 - 初夏に新そばを供給する「春のいぶき」と春まき栽培法
国産そば供給の安定化と高品質化に寄与する春まき栽培を実現する、難穂発芽性品種「春のいぶき」と栽培法 - WCS用稲をトラックでバラ積み輸送し飼料基地で調製する低コスト作業体系
圃場と飼料基地の輸送時間が片道20分以内の場合、飼料基地で調製する体系が低コストとなる - ヨーネ病の新しい診断技術の開発および確立
ヨーネ病遺伝子診断キット「ヨーネジーン」の開発および液体培地による迅速なヨーネ菌の分離・同定法の確立 - 乗用トラクタの転倒転落事故の一因である左右ブレーキの連結忘れを防ぐ装置
乗用トラクタの転落転倒事故の一因である、左右ブレーキを連結しない状態での誤操作によるブレーキの片効きを防ぐ装置
農業新技術200X 2014年選出
水稲・大豆作における新たな難防除雑草の早期発見・被害軽減総合対策技術
雑草イネと帰化アサガオ類の早期発見・被害軽減のための総合対策マニュアル及び警戒すべき帰化雑草情報。
温水を用いた果樹白紋羽病の治療技術
温水を周辺土壌に点滴処理することにより白紋羽病にかかった果樹(ナシ、リンゴ、ブドウ)を治療する環境負荷低減型の防除技術。
小型・軽量で高速作業が可能な不耕起対応トウモロコシ用播種機
我が国での飼料用トウモロコシの不耕起栽培に適した、小型トラクターで作業が可能な不耕起ほ場対応型トウモロコシ高速播種機。