プレスリリース
平成25年度安全鑑定結果について

情報公開日:2014年6月10日 (火曜日)

概要

  • 平成25年度分の安全鑑定適合型式数は、190型式(17機種)であり、機種別の内訳は、表のとおりであった。
  • 「その他機種」に分類されたものは、11型式(7機種)であった。

年度別安全鑑定適合型式数

主な機種の特徴等

農用トラクター(乗用型)

平成25年度の安全鑑定適合機は、7社85型式(安全キャブ仕様のみは55型式、安全フレーム仕様のみは5型式)で、その搭載機関の定格時出力は12~250kW(16~340PS)、排気量は1.123~9.000Lであった。機関出力74kW(100PS)以上の全体に占める割合は60%程度であり、24年度(同16%)から大幅に増加した。走行形式は車輪式が79型式、半装軌式(後輪のみ装軌)が6型式であった。近年増加傾向にある無段変速トランスミッションを搭載したものが27型式で全体の約32%を占め、24年度(20%)からさらに増加した。ディーゼル特殊自動車に対する排出ガス規制は、23年10月から国内3次規制が適用されているが、安全鑑定適合機の中で国内3次規制に適合しているものは、尿素SCRシステム※1もしくはDPF※2を搭載したものとなっている。

農用トラクター(歩行型)

平成25年度の安全鑑定適合機は、3社5型式、呼称出力が1.5~2.2kW(2.1~3.0PS)であった。全型式がガソリン機関を搭載した管理専用機であり、主クラッチレバーを握るまたは押さえることにより動力が伝達され、手を離すとレバーが戻り動力が切れるデッドマン式クラッチや、ロータリあるいはロータの後部に装着したプレートを利用して畝立てを行うことができる簡易畝立てプレートを備えていた。また,このうちの2型式は,車軸耕うんロータリを標準とする機械であり、後進時の事故低減のため、原動機を用いた後進ができない構造となっている。

田植機

平成25年度の安全鑑定適合機は全て乗用型で、マット苗用5、6、8、10条植え8型式であった。植付機構は、全て回転式であり、機関は8、10条植えでディーゼル機関が2型式、他6型式はガソリン機関で、機関出力は6.6~15.4kW(9.0~21PS)であった。元々は海外向けだったものを国内向けにアレンジしたものや、アイドリングストップ機能を装備したものがあった。

動力噴霧機(走行式)

平成25年度の安全鑑定適合機は5型式で、自走式が2型式、とう載式が3型式であった。自走式は乗用型、歩行型1型式ずつであり、乗用型は機関出力が11.2kW(15PS)、走行形式が4輪4駆・4輪操舵で折りたたみ式ブーム散布幅10.2m、薬液タンク容量500Lの田畑用であった。歩行型は機関出力が3.4kW(4.6PS)、走行形式がゴムクローラでブームは用途によりキュウリ用や除草用に取り替えられ、薬液タンク容量350Lであった。とう載式は、折りたたみ式両ブームが1型式、旋回装置の付いたスライド式片ブームが2型式であった。両ブームのものは散布幅8.4m、薬液タンク容量500Lでオートヒッチに対応し、また左右のブームが工具無しで取り外すことができ、本機は人力で移動できるようにスタンドにキャスターが装備されていた。片ブームのものは散布幅15.3、17.1m、薬液タンク容量650、1050Lであり、長いもやとうもろこし等の背の高い作物にも対応するため散布高さが0.5~2.5mの範囲で調節可能であった。

スピードスプレヤー

平成25年度の安全鑑定適合機は4型式で、機関出力が15.4~49.4kW(21~67PS)であり、全て立木・棚作り兼用の自走式であった。走行形式は全て4輪駆動で、3型式がHST変速で、操舵形式では4輪操舵のものが2型式あり、薬液タンク容量は500、1000Lであった。HST変速では、エンジン回転数によらず走行速度が設定できるため散布量の調整が容易であり、また、クラッチ操作も必要ないため、採用される機会が増えつつある。キャビン付きながら通常のものより全高を低くすることで棚作りでの作業性を高めたものがあった。

コンバイン

平成26年度は、2~7条刈、機関出力8.5~90.5kW(11.5~123PS)、19型式の適合機があった。大型機では、DPF※2装置を搭載しディーゼル特殊自動車の排出ガスに対する国内3次規制に適合させたものや、手刈り作業時にフィードチェーンを低速にする安全装置を装備したものが、小型機では、2条刈りの機種ながら3条全面刈りが可能なもの、全高を抑え機体のコンパクト化をはかったものなどがあった。

乾燥機(穀物用循環型)

最大呼称張込量1.9~34tの幅広い適合機があった。1.9~6.5tの25型式は遠赤外線熱風併用方式で、27.5~34t の4型式は熱風式であった。送風機をインバータ制御し籾水分や張込量に応じて風量を調整できる機能や、張込量や穀温を自動検出して乾燥速度の誤操作防止をはかる機能を持つものがあった。操作盤の大型化、フラットな張込ホッパーの採用により取扱性向上をはかったもの、大容量のバケットや大型の排出口採用による張込・排出処理量を増加させたもの、他シリーズとの部品の共通化や部品点数削減により低コスト化をはかるものなどがあった。

その他機種

その他機種としては、乗用管理機、茶園管理作業機、キャベツ収穫機、パイナップル用作業車、人参ハーベスタ―、大根収穫機、乾燥機(火炉分離・穀物用循環型)があった。

用語の解説

※1 尿素SCRシステム
排出ガス浄化技術の1つであり、尿素水を排出ガス中に噴霧することで得られたアンモニアガスにより、窒素酸化物(NOx)を窒素と水に分解するシステム。SCRはSelective Catalytic Reductionの略であり、「選択触媒還元」のことである。

※2 DPF
DPFはDiesel particulate filter(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の略であり、ディーゼルエンジンの排出ガス中の粒子状物質を捕捉するフィルター。フィルターが目詰まりを起こして機能が低下するため、燃焼・再生させる機能が付加されている。