プレスリリース
ささえます地域の暮らし「農業研究最前線」

- 九州沖縄農業研究センター一般公開2004 -

情報公開日:2004年10月29日 (金曜日)

九州沖縄農業研究センターでは、2004年度(第4回)の一般公開日を設けて、地域の皆様に広く研究活動の一端を紹介します。下記のような楽しい催しを行いますので、多数のご出席をいただきますよう御案内申し上げます。


詳細情報

日時

平成16年11月6日(土曜日) 9時30分~15時30分

場所

九州沖縄農業研究センター(熊本県菊池郡西合志町大字須屋2421) (国道387号線沿い・電波高専前)

テーマ

ささえます地域の暮らし「農業研究最前線」

参加費

 入場無料

主な催し物

公開講演:

身近なお米の話(10時30分~12時00分)

1.お米の品種を作る-身近な品種、これからの品種-

演者:水田作研究部 坂井 真

  • 育種(品種改良)ってなに?
    品種改良の原理と方法について、身近な生物を例にわかりやすく説明します。
  • 日本の稲育種 現状と目標
    米需要の拡大と稲作の技術革新にむけた、品種改良の新たな取り組みを紹介します。
  • 最近の成果(ブランドニッポン農産物の確立に向けて)
    九州沖縄農業研究センター育成の新品種「ふくいずみ」「ニシアオバ」を中心に最新の研究成果について紹介します。

2.九州の飼料用イネ-地域農業を支える飼料イネ-

演者:畜産飼料作研究部 佐藤健次

水田で栽培される稲の中でも、牛に食べさせる稲を「飼料イネ」と表現しています。牛には、主に稲発酵粗飼料(WCS)として給与されています。WCSは、茎葉・実の全体をサイレージ発酵した水分60%程度のエサで、嗜好性が良いとされています。一般に、移植や直播によって栽培し、糊熟期~黄熟期まで生育した飼料イネを落水した水田で刈取り、約1メートルのロール状にラッピングし、サイレージ発酵して貯蔵性を高めて給与されています。稲発酵粗飼料の栽培面積は、全国4,917ha、九州地域2,597ha(全国の52.8%)であり、熊本県は全国第1位の1,292haです。飼料イネは、牛の飼料となるだけでなく、地下水を涵養する水田での重要な作物となっています。更に、水田を維持し、食用稲の栽培できる条件を確保します。稲穂の日本で、裏方的に地域農業を支えています。

3.どうする/どうなる九州の水田農業-地域水田農業ビジョンからみた九州の特徴-

演者:総合研究部 笹倉修司

今、水田農業に関わる制度は大きく変わろうとしています。生産調整は国が示すのではなく生産者自らが計画し実施すること、それは各自治体等のまとまりごとに計画を策定して実施していくこと、というように変わり、その計画を示したものが地域水田農業ビジョンです。そこで、ほぼ全ての自治体が今年4月に策定した地域水田農業ビジョンを通して、九州の各自治体はこれから米の生産をどうしようとしているのか、どんな米を作ろうとしているか、あるいは米以外の作物も含めた水田農業をどうしようと考えているのか、といった点について、他の地域、例えば北陸との違いや、九州の中での地域的な違い等の特徴を述べます。

研究成果展示コーナー(パネル、標本、加工品など展示)

  • 特別展示:「現地での新しい実証技術」、「国際コメ年と新しい水田農業技術」
  • 一般展示:最新の農業技術を中心に研究成果約40点など

体験・実演コーナー

  • サツマイモ掘り(小学生及び幼児)
  • 台風体験(風速○○mを体験しよう)
  • 電子顕微鏡でウイルスをみよう(午前と午後各1回の観察)
  • 牧草のラッピング実演(牧草をビニールで梱包)

試食・試飲コーナー(数に限りがあります。)

  • 当所で開発した小麦・大豆・カンショ品種を素材にした加工品:うどん、豆乳、ホットケーキ、天ぷらなど。
  • 新鮮な搾り立ての牛乳、バター、ヨーグルト、ローストビーフなど。

展示・即売コーナー(地産地消の促進に向けて)

  • 当所で開発した米、小麦、かんしょ品種を食材にして、近隣の皆さんが調理した食パン、大学いも、だご汁、パスタなど 町内で採れた新鮮な野菜などの農産物

他機関の展示コーナー

  • 九州農政局、林木育種センター、森林総合研究所も多数出展いたします。