農研機構は、産業界や農業団体等とともに、農畜産物のアジア等への輸出拡大を図る「九州沖縄経済圏スマートフードチェーンプロジェクト」を推進しています。この一環として、この度、サツマイモ(かんしょ)輸送中の腐敗による被害を、出荷前に行う洗浄・調製(根切)の後にキュアリング1)を実施することで、大きく減らせることを明らかにしました。また、本技術の実施手順等を取りまとめた標準作業手順書(SOP: Standard Operation Procedures)2)を作成・ウェブサイトで公開しました。
概要
国産のかんしょは海外でも人気が高く、近年、輸出が急増しています。その一方で、海上輸送中にかんしょの腐敗が多発しており、生産者や輸出事業者にとって大きな損失となっています。
農研機構は、輸出におけるかんしょ腐敗の実態解明と腐敗防止技術の確立に取り組み、かんしょ輸送中の主な腐敗要因は軟腐病3)であること、その抑制に洗浄・調製後のキュアリングが有効であることを、室内試験および九州内から香港までの輸出を想定した実証試験により明らかにしました。
また、洗浄・調製後キュアリング実施手順やその他の腐敗防止のポイントを取りまとめたSOPを作成し、農研機構ウェブサイトで公開しました。
(https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/naro/sop/136531.html)。本SOPを活用してかんしょ腐敗防止方策の普及を促進することで、国産かんしょの輸出が安定化し、地域経済の活性化に繋がることが期待されます。
関連情報
予算:農研機構 九州沖縄経済圏スマートフードチェーンプロジェクト