プレスリリース
野菜害虫アブラムシ類防除のための「ギフアブラバチ利用技術マニュアル」を公開しました

情報公開日:2016年3月24日 (木曜日)

ポイント

施設栽培ピーマン類では、天敵利用を核とした害虫防除技術の普及にともなって農薬の使用が減った結果、従来は問題とならなかったジャガイモヒゲナガアブラムシによる被害が顕在化しています。
そこで、天敵昆虫ギフアブラバチを利用してピーマン、甘長とうがらし、カラーピーマンのジャガイモヒゲナガアブラムシやモモアカアブラムシを防除する利用技術マニュアルを作成しました。

概要

  • 農研機構を中心とする研究グループは、施設栽培ピーマン類で問題となっているジャガイモヒゲナガアブラムシやモモアカアブラムシの対策として、天敵昆虫ギフアブラバチを生物農薬として登録しました (農林水産省登録第23771号、登録商標 : ギフパールは、アリスタライフサイエンス株式会社から4月に販売予定) 。
  • ジャガイモヒゲナガアブラムシはピーマンの果実を吸汁加害するので、この虫が発生すると果実の可販率が低下し、経済的損失が大きくなります。
    また、この虫は、低密度でも果実被害が多く現れる突発的な発生パターンを示し、これまでの生物農薬を含むアブラムシ用天敵類では効果的な防除ができませんでした。
  • 果実被害や葉の変色等がみられるほ場にギフアブラバチを導入すると、ジャガイモヒゲナガアブラムシの密度を速効的に減少させることができます。
    また、施設栽培の甘長とうがらしやカラーピーマンで発生するモモアカアブラムシに対しても高い防除効果があります。
  • ジャガイモヒゲナガアブラムシを待ち伏せして防除するギフアブラバチのバンカー法を開発しました。
    ギフアブラバチの餌となる別種アブラムシを餌植物とともに設置することで、ギフアブラバチによる防除効果を長期間維持できます。
  • ギフアブラバチは日本国内に広く生息する土着種であり、生物農薬での利用以外にも野外から採集して防除に利用することもできます。
  • ギフアブラバチの利用法を解説したマニュアル (PDF形式) は、下記のウェブサイトから入手できます。
    ギフアブラバチ利用技術マニュアル

予算

農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業「ギフアブラバチの大量増殖技術と生物農薬としての利用技術の開発 (25053C) 」(平成25~27年度) ・運営費交付金