農研機構技報No.12
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3棟目1棟目2棟目6棟目5棟目4棟目3棟目1棟目2棟目1棟目 ■ 通い農業支援システムの導入コスト■ おわりにWio Nodeと温度センサ設置場所Wi-Fiルータの設置場所通信機能付きマイコン「ワイオ・ノード(Wio Node)」防水温度センサ電源用USBケーブルWi-FiルータUSB延長ケーブルUSB ACアダプタ100V電源延長コード他小型パソコン「ラズベリーパイ(Raspberry Pi 3B+)」から呼び出して使用するための仕様。ムの開発とその展開.農研機構研究報告, 2021(8), 211-230.2)山下善道(2021) 安価かつ簡便にハウスの遠隔監視に使えるIoT機器「通い農業支援システム」 農研機構 普及成果情報.              https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/tarc/2020/20_067.html (参照 2022-2-7)3)農研機構プレスリリース(2021-8-31) 安価かつ簡便にハウスの情報をスマートフォンで確認 −「通い農業支援システム」製作マニュアルを公開−.    https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/141378.html (参照 2022-2-7)1棟¥1,300¥1,000¥110¥5,000¥500¥1,000¥5,000¥6,000¥19,910¥19,910合計1棟当たりの費用用語解説̶※1 通い農業 特にここでは東京電力福島第一原子力発電所事故による避難後、避難先や新たな居住地から営農が再開された地域に通いながら行う農業。※2 Web API ネットワークを通じてプログラムやソフトウェアの機能を外部参考文献̶1)山下善道ら(2021) 営農再開後の通い農業を支援するハウス遠隔監視システ3棟¥3,900¥3,000¥330¥5,000¥1,500¥3,000¥15,000¥6,000¥37,730¥12,5776棟¥7,800¥6,000¥660¥5,000¥3,000¥6,000¥30,000¥6,000¥64,460¥10,743※100V電源のあるハウス1棟に1組のマイコンと温度センサを設置し、ハウス複数棟をWi-Fiルータ1台で使用した場合の試算。約1,000円/月のSIMカード費用がかかる。また、Raspberry Piの周辺機器は含めない。通い農業支援システムの導入コスト試算 (単位:円)1棟での利用3棟での利用❶ハウス内に設置し、温度 を取得するために使用❷ハウス内の電源から マイコン設置場所までの 電源延長に使用❸自宅や事務所に設置し、 プログラムの実行に使用Wi-Fiが届く範囲(イメージ)通い農業支援システム導入のイメ−ジ必要な資材6棟での利用表2図4※1つのWi-Fiルータで届く範囲で利用することで安価に利用できる通い農業支援システム 製作マニュアル https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/142629.htmlNARO Technical Report /No.12/202233(東北農業研究センター 農業放射線研究センター 早期営農再開グループ) 通い農業支援システムの導入コストは、設置するマイコンやセンサの数によって異なります。100Vの電源があるハウスで使用する場合、温度を取得するためにWio Nodeと防水温度センサを1組製作にかかる材料費は約4千円、ハウスに温度センサを1つ設置し、ハウス1棟に導入する場合は約2万円です(表2)。複数棟での利用は、1つのWi-Fiルータで通信可能であればコストを抑えることが可能です(図4)。このため、Wi-Fiルータ1台をハウス6棟で利用する場合は1棟当たり約1万円で製作することが可能です。 Wio Nodeの通信は、モバイルWi-Fiルータに格安SIMと呼ばれるデータ通信用のSIMカードを組み合わせたものを使用します。このため、システム利用の際の維持費は、格安SIMの通信費となります。格安SIMはデータSIM(3ギガプラン)を想定し、月に約1,000円としています。自宅などに設置するRaspberry Piについては、自宅のWi-Fiルータや有線のインターネット回線を使用する想定のため、新たに維持費はかかりません。 本試算では防水温度センサのみですが、湿度や土壌水分などのセンサを使用する際は、500〜3,000円程度の費用が追加で必要となります。製作マニュアルで取り上げている温度センサや湿度センサに関しては、実用上問題ない精度で利用できることを確認しております。 通い農業支援システムは、製作マニュアル公開後、生産者の方々、自治体、JAやメーカーなど様々な方から問い合わせをいただき、「通い農業支援システムを作成したので、次作に使用したい」との声をいただいております。また、福島県内の若手生産者の団体でも導入され、役立てていただいています。現在は、農林水産省の委託事業にて、本システムを複数の生産者間や普及指導機関での情報共有に役立てることができるよう改良を進めています。ご興味をお持ちの方は、まずは「通い農業支援システム」で検索して、「通い農業支援システム」製作マニュアルの公開ページをご確認ください。そこから、マニュアルのダウンロードが可能です。

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