N-アセチルグルコサミンLNB合成反応妨害反応■ 酵素を利用したLNB合成 LNB合成反応(上)、および妨害反応(下)の概要SP、GalT、GalE、GLNBPの4種の酵素によりスクロースとN-アセチルグルコサミンからLNBを生成。PGM、GPが中間産物のグルコース1リン酸を消費しLNBの生成を妨害。F6PPKはグルコース1リン酸の消費を加速。これらの妨害反応を各種処理により抑制することでLNBの生産性を向上。図2調製したLNB粉末スクロースグルコース6リン酸フルクトース6リン酸リン酸フルクトースグルコース1リン酸SPPGMプロテアーゼ処理失活失活プロテアーゼ処理F6PPK乳酸リン酸GLNBP分解グルコースグルコアミラーゼ処理NARO Technical Report /No.14/2023GalEUDP-ガラクトースUDP-グルコースガラクトース1リン酸GalTマルトオリゴ糖(重合度: n)GPマルトオリゴ糖(重合度: n+1)リン酸アセチルリン酸酢酸19LNB ビフィズス菌がLNBを利用していることを証明するためには、LNBのみを炭素源とする培地でビフィズス菌の増殖を確認し、ビフィズス菌のLNB利用性を検証する必要があります。そのためには十分な量のLNBを確保しなければなりません。しかしながら、LNBは大量には販売されていないことから、自身でLNBを調製する技術を開発しました3)。原材料となる砂糖(以下スクロース)とN-アセチルグルコサミンにビフィズス菌の4種類の酵素を作用させることで図のようにLNBを生成することができます(図2上)。これは上述の乳児型ビフィズス菌がLNBを利用してエネルギーを獲得する仕組みに着想を得たものです。スクロースからスクロースホスホリラーゼ(以下SP)により生成したグルコース1リン酸をUDP-グルコース:ガラクトース1リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(以下GalT)およびUDP-グルコース4-エピメラーゼ(以下GalE)の働きでガラクトース1リン酸に変換し、それとN-アセチルグルコサミンを基質として1,3-β-ガラクトシル-N-アセチルヘキソサミンホスホリラーゼ(以下GLNBP)の合成反応によってLNBが生成します。
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