農研機構技報No.16
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耕起・代かき作業時間直進アシスト田植機の導入による労働時間比較作業時間の短縮割合5050012307■ 直進アシスト田植機による省力化直進アシスト田植機の導入による労働時間比較注:図中の数字は慣行を100とする指数。  「大規模」、「輸出用米」、「中山間」は、水田作に関する実証プロジェクトの課題の  区分。図5についても同じ。(分/10a)3025201510(%)5040302010(分/10a)201510(ha)10080604020耕起・代かき作業時間の比較耕起作業における自動走行トラクターを用いた協調作業体系の慣行体系に対する作業時間の短縮割合(北陸地域実証地区の一事例)ほ場面積10080.686.7慣行大規模輸出用米13%減19%減(n:8)73.878.0中山間平均平均22%減26%減NARO Technical Report /No.16/2024有人機+無人機トラクター2台での協調作業(n:6)(n:2)慣行スマート農業・ロータリー耕うん作業機(幅2.7m)による春耕起、作業速度1.2km/h、 トラクター105PS ・有人機と無人機における協調作業では自動走行機の設定や ほ場外搬出に6分を要すると想定有人機+無人機の2台の協調運転使用トラクター中型機使用トラクター中型機慣行スマート農業実測推定直進アシスト運転図1図2図3れています。そのため、自動走行トラクターの利用に当たっては、作業するほ場区画や形状が作業効率に大きな影響を与えます。2台のトラクターでの協調作業による作業時間の短縮割合と耕起作業におけるほ場面積との関連をみると、1ha以上の大区画ほ場では40%程度の高い短縮効果が得られますが、自動走行トラクターが自動走行できる領域の狭い小区画ほ場では、ほ場が狭くなるにつれて作業時間の短縮割合は小さくなります(図2)。 直進アシスト田植機は、旋回時に条合わせを行った後は、自動で真っ直ぐに植え付けることができます。そのため、直進性、隣接工程との正確な条間隔が求められる田植えの作業精度が高まるとともに、オペレーターが苗の植付状態の確認や苗補充の状況を注視でき、欠株の回避にもつながります。 図3は、実証区分ごとに田植えの作業時間を慣行と比較したものですが、労働時間を平均で22%短縮できており、特に、ほ場条件が必ずしも良くない中山間での実証において短縮効果が大きくなっていることがわかります。また、

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