農研機構技報No.8
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学習済みモデルを用いた病葉診断図4病葉診断の判断の根拠の可視化図5病葉(ジャガイモ疫病)学習済みモデル学習済みモデル画像入力画像入力健全葉健全葉の特徴を用いて画像復元病葉の特徴と健全葉の特徴のみ入力病葉の特徴を用いて画像復元圧縮された特徴情報圧縮情報復元入力画像(病葉)病葉の特徴(1024次元)健全葉の特徴(1024次元)葉自体の特徴(2048次元)生成された画像比較黄変や表面の凸凹を判断根拠としていることがわかる病葉です健全葉です健全葉の特徴病葉の特徴健全葉病葉健全葉/病葉の識別器病気診断病葉です成)する際に、健全葉と葉自体の特徴②と③のみを用いることで健全葉画像を生成し、病葉と葉自体の特徴①と③のみを用いることで病葉画像を生成することができます。モデルが学習した「健全葉」と「病葉」を可視化(画像生成)できるので、生成された画像を目視比較することで、分類の判断の根拠を確認できます。例えば、図4で入力された病葉の診断には、黄変や表面の凹凸(凹凸があると影ができる)を使用して判定したことがわかります(図5)。これがこれまでの深層学習モデルにはない新しい点です。■ 分類精度 オープンアクセスの画像データセット(PlantVillage Dataset※4)を用いて学習したモデルで、バレイショ健全葉と疫病葉の分類をしました。オープンアクセスの画像データセットの健全葉146枚、疫病葉457枚のうち、健全葉110枚、疫病葉417枚を学習に用い、学習済みモデルを作成しました。残りの健全葉36枚、疫病葉40枚を用いて学習済みモデルの精度検証をした結果、100%の正解率を得ました。また、ほ場で撮影した健全葉340枚、モザイク症状の葉460枚のうち、健全葉290枚、モザイク症状葉410枚を学習に用い、学習済みモデルを作成しました。残りの健全葉50枚、モザイク症状の葉50枚を層学習では画像データセットを教師データとして使い、学習によってできた「学習済みモデル」を得ます。新たな画像に対して学習済みモデルを適用することで、自動で画像を分類することができます(図4)。さらに本手法では、モデルが分類に使用した特徴を可視化するために次のような手法を見出しました(図5)。具体的には、まず対象となる画像を情報圧縮します。この際、圧縮された情報(特徴)を①病葉の特徴、②健全葉の特徴、③葉自体の特徴に分離します。そして情報復元(画像生32NARO Technical Report /No.8/2021判断の根拠を可視化できるAI

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