■農業情報研究センター AIスパコン「紫峰」、NARO統合データベース、高速ネットワークによる農業情報研究基盤を構築し、徹底的なアプリケーション指向の農業AI研究の推進とICT・デジタル人材の育成、農業データ連携基盤“WAGRI”の運用を行います。これら農業情報基盤を使ったサイバー空間でのシミュレーションと連携することにより、農研機構全体の技術開発を加速します。また、「インキュベーションラボ」では、革新的な栽培環境エミュレータを使った育種や栽培技術の開発を本格化します。■農業ロボティクス研究センター 農業現場のサイバー・フィジカルシステムを構築し、ロボティクスによって農業を超スマート化するための研究開発を行います。作物栽培現場の環境や生育状況などをセンシングし、サイバー空間のデータベース、生育モデルやAIを使い最適な行動計画を導き出し、それに合わせて現場をコントロールするシステムを、施設栽培と露地栽培で実現します。また、これらの技術開発を行うための、センサー、アクチュエータ、パワートレインなどの設計・開発も行います。■遺伝資源研究センター センターが有する遺伝資源の収集、特性評価、保存、配布の機能を高度に発揮させるため、農業情報研究基盤と連携し、植物・微生物の遺伝資源のゲノム情報や新機能情報を解明・付加し利用価値の向上を図ります。また、遺伝資源の超低温保存などの画期的な保存技術を開発します。■高度分析研究センター 先端的NMR拠点として多くのNMR装置や精密分析装置が装備されています。これらを使った、先端的な精密分析技術によって農業・食品分野の分析を高度化します。情報研究基盤と連携することによって、農研機構のほか大学、民間、公設試験研究機関などの研究開発を加速させます。また、新たに、高度分析・AI解析などのリモート基盤を整備し、民間などによる遠隔利用を開始しました。 これら共通基盤技術と研究セグメント(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)で行う研究開発を連携させることによって、農研機構全体の研究開発力を徹底強化します。さらに、民間などとの共同研究を通じて、わが国全体の研究開発力向上にも大きく貢献して参ります。創出される研究開発成果は、本誌をはじめとして利用者にわかりやすく、発信いたします。TOPICSTOPICS農研機構の新しい組織について-基盤技術研究本部-白谷 栄作SHIRATANI Eisaku理事(戦略、組織、運営担当) 農研機構は、第5期中長期計画の研究開発とイノベーションを加速するため、理事長を本部長とする基盤技術研究本部(以下、「研究本部」という。)を新たに設置しました。研究本部には、農業情報研究、農業ロボティクス研究、遺伝資源研究、高度分析研究を行う4つの研究センターを配置し、データの一元的管理と情報研究基盤の徹底的な活用で相互を有機的に結びつけ、AI、ロボティクス、バイオテクノロジー、精密分析などの研究基盤技術を高度化します。36NARO Technical Report /No.9/2021
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