農研機構

VOICE from NARO

研究と開発のはざま

経済開発協力機構(OECD)では各国の研究開発の統計比較が可能なように、研究開発を基礎研究、応用研究、開発研究の3種に分類することを提唱しています。現実には市場や生産現場から新たな技術課題が見出され、課題解決を図るためにそれぞれの研究開発段階にある成果が適用されることが多いのではないでしょうか。農研機構においても様々な形態の研究開発が進められています。それらの成果を活用いただき、地域の活性化を促進するために「つながる」ことが本号のテーマになります。

「研究開発」の英語表記 R&D(Research and Development)は皆さんご存知と思います。RとDの間には"&"が必要です。「研究」成果を農業・食品産業の現場で活用いただくためには「開発」や「実証」までを効果的に進めなければ産業として「実装」に至ることは難しいことを喩えているように思います。

2021年4月に設立した本部事業開発部(2018年10月設立の事業開発室を発展)および全国5カ所の地域農研の事業化推進室では、農研機構の研究開発成果を活用いただくための場と手段をご用意して、皆さんとの「連携」を強化し、「開発」や「実証」の段階で問題点を抽出し、解決する活動を研究部門とともに推進してきました。

これまでに農業・食品産業の現場の皆さんと「つながる」ことを進めてきた代表的な事例をご紹介いたします。地域の活性化につながる成果を共有し、皆さんとともに成長していく農研機構でありたいと願っています。

農研機構 事業開発担当
理事 折戸 文夫