IVG
2017年5月30日更新
遺伝資源から多様な地域特性や経営戦略に即した有用遺伝子を効率的に特定する技術の開発 （略称：有用遺伝子創出）
概要
本課題では多様な有用な突然変異を作出するための突然変異集団の作出と選抜技術の開発、遺伝資源が持つ自然変異を高度情報処理技術により抽出する技術、利用する技術の開発を行います。これらは遺伝子の特定や機能解析に役立ち、遺伝子の特定を加速するほか、植物科学で得られた知見を農業上有用遺伝子を持つ準同質遺伝子系統や突然変異系統を作出することにより育種素材化することを目指します。
研究目的
- 遺伝子の機能解析を目指した自然変異と突然変異系統集団の作成と利用
- 有用形質に係わる遺伝子単離を効率的に行うシステム構築
- 役立つ変異、新機能を獲得した有用遺伝子の創出
達成目標
- 遺伝子の機能解析を目指した自然変異と突然変異系統集団の作成と利用
- 変異体ライブラリーから目的遺伝子の変異を選抜、提供
- 遺伝資源から目的遺伝子の変異体を選抜、提供
- 有用形質に係わる遺伝子単離を効率的に行うシステム構築
- 遺伝資源のゲノム配列を情報処理して使いやすく提供
- 遺伝資源を利用しやすくする実験系統利用、方法論確立
- 役立つ変異、新機能を獲得した有用遺伝子の創出
- 上記で構築されるシステムを用いて遺伝子の特定・機能を解析
- 有用な準同室遺伝子系統や突然変異系統を作出し、育種素材創出を実証
研究内容
- 遺伝子の機能解析を目指した自然変異と突然変異系統集団の作成と利用
- イネ、コムギ、ソルガム、ダイズの優良品種に変異原処理を施し、DNAを取得
- 標的遺伝子が変異した系統を高感度溶融曲線法などにより選抜
- 有用形質に係わる遺伝子単離を効率的に行うシステム構築
- 品種の多型情報をカタログ化、変異の強さをランク付けし、オミックス情報と関連付け
- 染色体断片置換系統の一次形質、粒形、穂形などの形質値を取得
- ゲノム情報処理システムと形質値を横断的に分析し、遺伝子を特定
- 役立つ変異、新機能を獲得した有用遺伝子の創出
- イネの高温登熟性、食味特性、穂発芽耐性、出穂性、耐冷性の解析と改良
- コムギの穂発芽耐性、閉花性の解析と改良
- ダイズの開花・登熟性などの解析と改良
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実施課題一覧（〜平成29年度）
↓課題番号をクリックすると、各実施課題の研究成果を見ることができます
| 課題番号 | 実施課題名 | 課題責任者 所属機関 |
|---|---|---|
| IVG1001 | イネ高密度突然変異集団の作出・配列解析及び利用システムの開発 （平成27年度終了） | 農業生物資源研究所 |
| IVG1002 | イネ突然変異スクリーニング系の構築 | 農研機構 次世代作物開発研究センター |
| IVG1003 | ムギ類変異集団の作出と利用 | 農研機構 次世代作物開発研究センター |
| IVG1004 | ソルガム突然変異集団の作出とスクリーニング系の構築 （平成26年度終了） | 名古屋大学 |
| IVG1005 | ダイズの変異リソースの作出とスクリーニングシステムの開発 | 農研機構 次世代作物開発研究センター |
| IVG2001 | 自然変異アリルと表現型情報の連関データベースの開発 | 農研機構 高度解析センター |
| IVG2002 | 正逆遺伝学的手法を用いた自然変異アリルの機能アノテーション | 農研機構 次世代作物開発研究センター |
| IVG2003 | 実験系統群を用いたフェノーム解析と連鎖遺伝子の同定 | 農研機構 次世代作物開発研究センター |
| IVG3001 | デンプン代謝の改変による乳白粒低減高品質イネの開発 | 農研機構 中央農業研究センター |
| IVG3002 | アミロペクチン改変により食味を改良したイネの開発 | 福井県農業試験場 |
| IVG3003 | イネ穂発芽耐性遺伝子の解析とコムギスーパーアリルの取得 | 農研機構 次世代作物開発研究センター |
| IVG3004 | 完全閉花性コムギの作出 （平成27年度終了） | 三重大学 |
| IVG3005 | イネ出穂・登熟関連遺伝子スーパーアリルの作成と育種学的利用 （平成26年度終了） | 農業生物資源研究所 |
| IVG3006 | ダイズ開花・登熟関連遺伝子スーパーアリルの作成と育種的利用 （平成27年度終了） | 農業生物資源研究所 |
| IVG3007 | 北東北水稲育種にむけたイネ突然変異系統および遺伝子資源の開発と活用 | （公財）岩手生物工学研究センター |