集積機構付きスレッシャを用いた小豆収穫残渣の回収方法
[要約]
集積機構付きスレッシャを用いた小豆収穫残渣の回収方法は、主に集積時の残渣水分の影響で回収率が変動するが、梱包作業能率は集積しない場合の2.6倍に向上する。
[キーワード]
小豆収穫残渣、スレッシャ、ロールベーラ、集積、梱包、回収率
[担当]道立十勝農試・生産研究部・栽培システム科
[代表連絡先]電話0155-62-2431
[区分]北海道農業・畑作
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
小豆収穫残渣は、落葉病対策及び未利用資源活用の両面から、圃場外へ搬出することが必要とされている。しかし現状では主に圃場へ鋤き込み処理せざるを得ず、残渣の効率的な回収方法が求められている。横送りコンベヤと排出シュートで構成した集積機構付きスレッシャと、ロールベーラとを組み合わせた回収方法による、小豆収穫残渣の回収率及び作業能率を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 収穫残渣排出部分に横送りコンベヤと排出シュートを備えた2条けん引式スレッシャは、2条ずつ排出方向を変えて後方1回、左方2回で6条分を1列に集積する。(写真1)。集積した残渣列は、ロールベーラで拾い上げて梱包する。梱包工程数は集積工程数の1/3となるため、効率的に残渣を回収できる。
- 収穫残渣の回収率は53〜96DM%であり、主に集積時の残渣水分に影響を受ける(表1)。集積時の残渣水分が20〜30%台と低い場合、スレッシャから排出される残渣は粉砕されるため、ロールベーラでの拾い上げが困難となり梱包ロスが増加する。一方、水分40%以上で集積した残渣は1〜2日間の晴天下での予乾で水分30%以下となるが、梱包ロスは少ない(表1、図1)。
- スレッシャに試作均平板を装着して集積時に培土を均平化すると、走行に支障は生じるものの梱包ロスの低減効果があるため、均平板の構造改善によって回収率向上の可能性がある(写真1,表1)。
- 集積作業能率は0.3ha/hである(データ省略)。梱包作業能率は1.3ha/hで、集積しない場合の2.6倍である(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 効率的な残渣回収のためには適期収穫に努め、刈り遅れを避ける。
- 燃料としての利用など、ベールの保存を伴う用途の場合には、収穫後1〜2日の間、晴天下で予乾し、残渣水分を30%以下としてから梱包する。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および判定区分
「集積機構付きスレッシャを用いた小豆収穫残渣の回収方法」(指導参考)
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:豆類の収集・運搬技術の確立
機械収穫豆類の乾燥・調整および収穫残渣回収技術の確立
3)小豆収穫残渣回収技術の確立
予算区分:受託(民間)、道費(日豆基)
研究期間:2007年度、2008〜2009年度
研究担当者:吉田邦彦、鈴木 剛、梶山 努
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