牛丘疹性口内炎口蹄疫の類症鑑別

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届出
伝染病

牛、水牛

特徴

牛丘疹性口内炎ポックスウイルス科、コルドポックスウイルス亜科、パラポックスウイルス属の牛丘疹性(うしきゅうしんせい)口炎ウイルス(bovine papular stomatitis virus)によって起こる届出伝染病。接触によって伝播する。牛の品種や、年齢、性別で発病に差がない。日本を含む世界中で発生がみられる。

口およびその周辺に、発赤丘疹(ほっせききゅうしん=赤い小さな発疹)や結節(けっせつ=直径1cm以上の隆起)を形成する。まれに水疱や膿疱、潰瘍(かいよう=ただれ)まで進行することがある。痂皮(かひ=かさぶた)を形成後1か月程度経過すれば外見上治癒するが、一定期間ウイルスを排泄し感染源となるため注意が必要である。病変は局所性のため、牛が死亡することは少ない。

初期症状が口蹄疫に類似していることから鑑別が重要であり、これらの症状を示す牛を発見した場合は、ただちに獣医師や家畜保健衛生所へ連絡する。


対策

有効な予防や治療法はない。感染牛を発見した場合は、隔離飼育し、飼育施設を次亜塩素酸ナトリウムや逆性石けんなどで消毒して、感染拡大の防止に努める。

[写真:口唇に形成された痂皮と潰瘍(上)、舌および歯ぐきに形成された発赤丘疹と結節(下)
(岩手県中央家畜保健衛生所提供)]

(動物衛生研究所 畠間真一)

参考情報

・家畜の監視伝染病 牛丘疹性口内炎
・家畜の監視伝染病 口蹄疫
・疾病情報 口蹄疫


情報公開日:2015年3月25日

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